「バスケット」「サッカー」「ハンドボール」「水球」
●男子バスケ: ユーロリーグTOP16 レアル・マドリードは連敗で背水の陣
いよいよ残り2節となった男子ユーロリーグTOP16ラウンドでは第13節が行われ、グループFで2連覇を狙うレアル・マドリードがラボラル・クチャとのスペイン対決に89-88で競り負け、第11節のバルセロナ、第12節のオリンピアコス(ギリシャ)に続く痛恨の3連敗を喫した。これによりTOP8入りに向け一際厳しい状況に追い込まれている。
6勝6敗で並ぶバルセロナ(スペイン)がブローゼ・バスケット(ドイツ)に75-57、そしてキムヒ(ロシア)もオリンピアコスに98-66で勝利したことでプレッシャーのかかるレアル・マドリードは序盤から試合の主導権を握り、36-46と10ポイントのリードで前半を終了する。しかしラボラル・クチャもジェームスの活躍などで4分間で一気に11ポイントを奪い57-55と逆転に成功すると、その後は両者一歩も引かない展開が続く。そして86-88とレアル・マドリードが2ポイントリードして迎えた終了間際、残り3秒でデイビス・ベルトランスの3ポイントが決まり、ラボラル・クチャが89-88と劇的な逆転勝利をおさめた。これにより6勝7敗となったレアル・マドリードは、ホームで行われる最終節のキムヒ戦で勝利することがTOP8入りには必須条件となった。また現在2位のラボラル・クチャはレアル・マドリードに勝利したことでTOP8入りを確定させている。
一方、すでに首位のフェネルバフチェ(トルコ)、ロコモティブ・クバン(ロシア)、パナシナイコス(ギリシャ)、ツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)がTOP8入りを決めているグループEでは、最終節の結果次第では2位ロコモティブ・クバンと3位パナシナイコスの順位が入れ替わる可能性を残している。
●女子サッカー: CL準決勝はドイツとフランスの同国対決
女子チャンピオンズリーグではベスト8のセカンドレグが行われ、ヴォルクスブルグとフランクフルトのドイツ勢、そしてリヨンとPSGのフランス勢がそれぞれ勝ち上がったことで同国対決の準決勝が実現すると共に、決勝は昨シーズンに続きドイツ対フランスのクラブ対決になることが確実となった。
ファーストレグをスコアレスドローで終えていたPSGとバルセロナ(スペイン)のセカンドレグは、タレントで勝るホームのPSGが序盤から圧倒するものの、焦りからか攻撃が中央に偏りどうしても好機をいかせない。後半に入ってもバルセロナの堅い守りに阻まれ続け、スコアレスドローのまま延長戦に入るかと思われた86分、左サイドからのクロスにクリスティーナが頭で合わせたシュートはそれまで素晴らしいパフォーマンスを見せてきたバルセロナGKサンドラの手をはじき無情にもゴールに吸い込まれる。終了間際でようやく1点を奪ったPSGが1-0でバルセロナを退けた。
またホームでローゼンゴード(スウェーデン)とのセカンドレグにのぞんだフランクフルトは前半28分の失点を最後まで取り返せず0-1で敗戦。ファーストレグとの合計が1-1となり試合は延長戦、そしてPK戦へと突入する。この試合で先制点を決めていたグナードティールが失敗したローゼンゴードに対しフランクフルトは5人全員が成功し、PK戦を5-4で制したフランクフルトが準決勝に進出した。
一方スラビア・プラハ(チェコ)とのファーストレグを9-1で圧勝しほぼ勝ち抜けを決めていたリヨンは、この日も前後半を通して30本のシュートを放つなど力の差を見せつけるものの結局ゴールは奪えずスコアレスドローでセカンドレグを終えた。なおリヨンの熊谷紗希はファーストレグに続きこの試合でもフル出場を果たしている。またブレシア(イタリア)とアウェーで対戦したヴォルクスブルグは前半7分に先制するとさらに2点を追加しファーストレグ同様3-0で勝利し4シーズン連続での準決勝進出を果たしている。
●女子ハンド: CLベスト8ファーストレグ バルダールがラルビクに先勝
女子ハンドボールのEHFチャンピオンズリーグは、ベスト8のファーストレグが各地で行われた。注目の一戦となった昨シーズンの準優勝ラルビク(ノルウェー)対3位のバルダール(マケドニア)の試合は、ホームのバルダールがペネズィッチやラゾビッチの活躍で序盤から主導権を握ると、前半だけで16-9とラルビクを突き話す。後半に入ってもそのままリードを守りきったバルダールが34-20で先勝。今シーズンのチャンピオンズリーグで4連勝を飾ると共に、ファイナル4に向けて好スタートを切った。
一方、現王者ブドゥチノスト(モンテネグロ)はアウェーでルーマニアのバイア・マーレと対戦。守備重視の作戦が見事に的中し、相手の攻撃を完全に封じ込めたブドゥチノストはわずか18分で10-3と7点ものリードを奪い17-10で前半を終える。バイア・マーレも後半何とか反撃を試みるものの逆転するまでには至らず、ブドゥチノストが29-24で逃げ切った。ブドゥチノストは2013年3月にジェール(ハンガリー)に敗れて以来ホームで無敗を続けており、10日行われるセカンドレグで逆転勝利を狙うバイア・マーレにとっては厳しい戦いになることが予想される。またレイルカーゴ・ウンガリア対ジェールのハンガリー対決は、アウェーに押し寄せた200人の熱狂的なサポーターの声援を受けたジェールが序盤から圧倒する。前後半と通して6点を決めたアモリムとロケ、5点を決めたグローツの攻守に渡る貢献が光ったジェールは、31-18の大差でレイルカーゴ・ウンガリアを下し、9日にホームで行われるセカンドレグを前にほぼファイナル4進出を手中におさめた。
最後にCSMブカレスティ(ルーマニア)対ロストフ・ドン(ロシア)の一戦は、シーズン終盤に入り調子をあげてきたCSMブカレスティが、今シーズンのチャンピオンズリーグで現在12戦無敗を維持しているロストフ・ドンと互角の戦いを展開する。11-12とロストフ・ドンが1点リードで折り返すものの、後半に入るとCSMブカレスティが会場を埋め尽くした4500人のファンを前に意地を見せ逆転に成功。CSMブカレスティは一時22-18と有利に立つと、そのままリードを死守しロストフ・ドンに26-25で競り勝った。
●男子ハンド: SEHAファイナル4 ヴェスプレムが2連覇
男子ハンドボールでは東欧の強豪10クラブで構成されるSEHAリーグのファイナル4がセルビアのヴァラジュディンで行われ、決勝でバルダール(マケドニア)を28-26で下したヴェスプレム(ハンガリー)が昨シーズンに続く2連覇を成し遂げた。
今年で5回目となるSEHAリーグの2015-16シーズンは、東欧の7ヶ国からメシュコフ・ブレスト(ベラルーシ)、ボラック(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、ザグレブ、ネクセ(共にクロアチア)、ヴェスプレム(ハンガリー)、バルダール、ストルミツァ(共にマケドニア)、ボボディーナ、ボイプト(セルビア)、タトラン・プレショフ(スロバキア)の10クラブが参加し、その中でも一際高いレベルを見せるヴェスプレム、バルダール、ザグレブ、メシュコフ・ブレストの4チームが昨シーズンに続いてファイナル4に駒を進めた。ちなみに、今回ファイナル4に残った中で、ヴェスプレム、バルダール、ザグレブの3チームは欧州のクラブ王者を決定するEHFチャンピオンズリーグでもベスト8進出を果たしており、SEHAリーグはまさにドイツのブンデスリーガと双璧をなす欧州最強リーグとの呼び名も高い。
準決勝の第1試合でメシュコフ・ブレストと対戦したヴェスプレムは立ち上がりからリズムが悪く、最初の30分でわずか6点しか奪えないなど6-11とリードを許して前半を終了する。ウェスプレムは後半何とか追い上げたものの本来のパフォーマンスとは程遠く、20-20で迎えたシュートアウトを11-6で制し、苦しみながらも2連覇に王手をかけた。準決勝のもう1試合、バルダールとザグレブの試合は、5000人のサポーターに後押しされたバルダールが26-24でザグレブを下し、決勝進出を決めた。
決勝は強豪同士に相応しい拮抗した展開となる。前半は14-15とバルダールの1点リードで終えるものの、後半にはいるとイリッチのゴールなどでヴェスプレムが勢いを強め、GKアリロビッチの好セーブもあり28-26で見事に逆転勝利をおさめた。なお、この両チームは23日にチャンピオンズリーグのベスト8で再び対戦する。
●水球女子: リオ五輪世界最終予選 米国、イタリア、ロシア、スペインが本戦出場 日本はグループリーグ敗退
女子の水球では今年8月のリオ五輪に向けた世界最終予選が21日から28日にかけてオランダのゴーダで行われ、米国、スペイン、イタリアそしてロシアの4ヶ国が本戦への最後の枠を獲得した。
12ヶ国が2組に分かれて行われたグループステージでは、5戦全勝で首位通過を果たした米国に続いて4勝1敗のギリシャ、3勝2敗のスペイン、2勝3敗のカナダがグループAを勝ち抜く一方、グループBでは4勝1分のイタリアを筆頭に、3勝2分のオランダ、3勝1敗1分のロシア、2勝3敗のフランスがそれぞれ決勝トーナメントへと駒を進めた。またグループAに入っていた2015年アジアチャンピオンシップ2位の日本は米国(1-18)とスペイン(3-23)に大差で連敗すると、その後南アフリカに15-6に競り勝ったものの、再びカナダ(7-15)、ギリシャ(8-12)に黒星を重ね、結局1勝4敗でグループリーグ敗退となった。
決勝トーナメント準々決勝では、まず2012年のロンドン五輪で金メダルの米国がフランスを19-0、そして銀メダルのスペインがホスト国オランダを10-7で下し準決勝進出。上位4ヶ国に与えられるリオ五輪出場権を手中におさめた。準々決勝残りの2試合では、ロシアがギリシャとの激闘をペナルティーシュートの末に制し、イタリアもカナダに1点差に詰め寄られるも8-7で逃げ切りリオ五輪の切符を手に入れた。ここまで圧倒的な強さを見せる米国は続く準決勝でスペインを13-7で下すと、決勝でもイタリアを11-6で退け優勝を果たした。また順位決定戦でスペインを10-4で下したロシアが3位に入っている。
今夏のリオ五輪に出場する女子水球の8ヶ国は以下の通り。
ブラジル(開催国)
オーストラリア(2014年オセアニア選手権優勝国)
中国(2015年アジアチャンピオンシップ優勝国)
ハンガリー(016年欧州選手権優勝国)
米国(世界最終予選)
イタリア(世界最終予選)
ロシア(世界最終予選)
スペイン(世界最終予選)
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