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2016-4-13

「ハンドボール」「ラグビー」「バレーボール」

男子ハンド:リオ五輪世界最終予選でスペインが40年ぶりに出場逃す
 
 男子ハンドボールのリオ・オリンピック世界最終予選が3か国で開催され、各グループの上位2チーム、合計6チームが最後の五輪出場権を獲得。
 

(C) IHF Official Site

 
 これで五輪出場国全12チームがすべて出そろった。欧州勢の実力が伯仲する中、1月のユーロ(欧州選手権)準優勝のスペイン、ベスト4入りしたノルウェーが僅差で敗退し出場権を逃す波乱があった。
 
<スペイン、40年ぶりに五輪出場逃す>
 
 スウェーデン大会の初戦でスペインがいきなりスロベニアに21-24で敗れる波乱が起きる。スペインは続くイラン戦には快勝し、五輪出場をかけて最終戦のスウェーデン戦に臨んだ。この試合でスペインが3点差以上の勝利を収めればスペインが、それ以外の結果ならスウェーデンが五輪出場という緊迫した状況の中、試合は序盤から両者の激しいぶつかり合いで膠着した展開となる。前半12-11で折り返したスペインは終盤に攻勢をかけてリードを広げると、残り5分で25-22と3点差をつけオリンピック出場に王手をかけるが、15000人の地元応援団を前に意地を見せるスウェーデンは残り5秒で7mスローを得る。これをエクベリが決めて25-23とし、そのままタイムアップ。
 
 スロベニア、スウェーデン、スペインがともに2勝1敗で並んだが、3者の直接対決で上位となったスロベニアとスウェーデンがリオ五輪出場を決めた。一方、1点差に泣き敗れたスペインは、男子では1976年のモントリオール五輪以来、40年ぶりにオリンピック出場を逃した。
 
 一方、デンマーク、ノルウェー、クロアチア、バーレーンが同組となり死のグループと言われたデンマーク大会は、クロアチアに勝利し、ノルウェーと引き分けたデンマークが有利のまま最終日へ。最終戦ではユーロ3位のクロアチアが4位のノルウェーを27-21で下し、バーレーンを下したにデンマークとともに五輪出場権を獲得した。また、ポーランド大会では開催国ポーランドが全勝で出場権を獲得し、2位には2勝1敗のチュニジアが入った。
 
<アジア勢は全敗>
 
 アジア予選2位のバーレーンと3位のイランは欧州勢の牙城を崩すことができず、ともに3連敗で五輪出場はならなかった。イランはスウェーデンに15点差、スペインに14点差、スロベニアにも16点差で大敗し、世界のレベルでまったく歯が立たなかった。
 
 一方のバーレーンは、すでに五輪出場が決まった後の最終デンマーク戦では健闘を見せたが(24-26で敗戦)、欧州勢との差はまだまだ大きい。最終予選に出場できなかった日本にとっても、欧州勢とどう戦うか東京五輪を見据えての対策が必要になるだろう。
 
 
■男子ハンド リオ五輪出場国
 
ブラジル(開催国)
フランス(世界選手権優勝)
アルゼンチン(パンアメリカンゲーム優勝)
カタール(アジア選手権優勝)
ドイツ(欧州選手権優勝)
エジプト(アフリカ選手権優勝)
ポーランド
チュニジア
スロベニア
スウェーデン
クロアチア
デンマーク(世界最終予選1、2位)
 
 
女子ハンド:女子チャンピオンズリーグ、ロストフ・ドンがベスト8で敗退
 

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 女子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグはベスト8のセカンドレグが行われ、ファイナル4進出チームが決定した。最大のサプライズは、今大会でメインラウンドまで15勝1分けと負け知らずの快進撃を続けてきた優勝候補の筆頭ロストフ・ドン(ロシア)が、メインラウンド4位のCSMブカレスティ(ルーマニア)に初戦に続いてホームでも敗れ、ファイナル4進出を逃したことだろう。この他、ブドゥチノスト(モンテネグロ)、バルダール(マケドニア)、ジェール(ハンガリー)もファイナル4入りを決め、4強はすべて東欧勢で占められた。
 
 
男子ラグビー(セブンズ):香港セブンズはフィジーが優勝、総合首位を守る
 

(C) World Rugby Official Site

 
 ラグビーセブンズのワールドシリーズは第7戦の香港大会が行われ、フィジーが決勝でニュージーランドを21-7で破り今季3勝目を挙げるとともに、シリーズ総合順位で首位を守った。
 
 ニュージーランドは、前大会のバンクーバーセブンズで優勝し、総合順位でフィジーに2ポイント差に迫っていたが、直接対決で敗れて首位奪回はならなかった。
 
 今大会終了後のシリーズ総合ポイントでは、首位のフィジー(128ポイント)、2位ニュージーランド(123ポイント)、3位南アフリカ (122ポイント)の順位となり、僅差で3強が激しい優勝争いをしている。
 
 
<日本は優勝で来季のコアチーム昇格確定>
 

(C) World Rugby Official Site

 
 香港セブンズのコアチーム昇格トーナメントに出場した日本は、予選ラウンド3連勝で準々決勝に進出すると、トンガに勝って準決勝に進出。ジンバブエに22-0で勝利して迎えた決勝では、レメキ・ロマノラヴァが3トライを挙げる活躍を見せ24-14で香港に快勝。来季のワールドシリーズ10戦でコアチームとして参戦することになった。
 
 
■香港セブンズ(コアチーム昇格戦)日本戦全結果
 
日本 36-0 ブラジル (グループリーグ)     
日本 45-0 モロッコ (グループリーグ)
日本 31-0 トンガ  (グループリーグ)
日本 33-0 トンガ  (準々決勝)
日本 22-0 ジンバブエ(準決勝)
日本 24-14 香港  (決勝)
 
 
男子ラグビー:欧州チャンピオンズカップ、イングランド勢3チームが準決勝へ
 
 ハイネケンカップに代わり今季からスタートした欧州チャンピオンズカップは9日と10日に準々決勝が行われ、WASPS、サラセンズ、レスターのイングランド勢3チームとフランスのラシン92がベスト4進出を決めた。ハイネケンカップでは2006-2007シーズンにWASPSが優勝して以来タイトルから遠ざかっていたイングランド勢だが、準決勝に3チームが残ったことで9年ぶりの欧州頂点が見えてきた。
 
 現在、イングアンドプレミアシップ3位のWASPSは2位のエクセターと対戦。一時はエクセターに11-24と13点差をつけられたWASPSだったが、そこから徐々に追い上げると、試合終了直前にピューターのトライで23-24とついに1点差まで迫る。ここで勝敗の行方を託されたキッカーのコパースが見事コンバージョンを決め、WSPSが25-24で劇的な逆転勝利を収めた。一方、イングランド同士の対戦となったもう1試合では、プレミアシップ首位を走るサラセンズがノーサンプトンを29-20で破った。また、イングランドのレスター対フランスのスタッド・フランス戦はレスターが41-13で勝利。フランス勢同士の対戦となったラシン92対トゥーロンはラシンが19-16で勝利している。
 
 注目の準決勝は、サラセンズ対WASPS(4/23)、レスター対ラシン92(4/24)の組み合わせとなった。
 
 
女子バレー:女子チャンピオンズリーグ、カサルマッジョーレが初出場初優勝の快挙
 

(C) CEV Official Site

 
 女子バレーの欧州チャンピオンズリーグは9日と10日にイタリアのモンティキアーリでファイナル4が行われ、開催地出場のポミ・カサルマッジョーレが優勝し、初の欧州王者に輝いた。
 
 昨シーズン、初めてイタリアリーグを制したカサルマッジョーレが快挙を達成した。女子イタリア勢の欧州制覇は、2009-2010シーズンのベルガモ以来となる。
 
 準決勝でロシアのディナモ・カザンをストレートで下して勢いに乗ったカサルマッジョーレは、翌日の決勝でも、準決勝でフェネルバフチェとのイスタンブールダービーを制したワクフバンクを3-0のストレートで破った。大会MVPにはカサルマッジョーレの37歳の大ベテラン、フランチェスカ・ピッチニーニが選ばれた。ピッチニーニはベルガモ時代にも2度CLを制覇している。
 
 なお、この試合の前に行われた3位決定戦ではフェネルバフチェがディナモ・カザンを3-1で下している。
 
 
<ポミ・カサルマッジョーレとは?>
 
 2008年、VBCカサルマッジョーレとパラボーロ・オスティアーノが合併して新設されたクラブ。セリエB2(4部)のチームとしてリーグ登録すると、このシーズンは8位に終わったものの、翌2009-2010シーズンにセリエB2で優勝しセリエB1(3部)に昇格。さらに、その次の2010-2011シーズンにはセリエB1で2位となり、セリエA2(2部)への昇格を果たす。
 
 2011-2012シーズンはプレーオフのファイナルに進むも昇格はならず、2012-2013シーズンもプレーオフ2位に終わるが、セリエA1チーㇺの合併統合により枠が空いたため繰り上げでセリエA1昇格を果たす。
 
 セリエA1初シーズンはレギュラーシーズン7位となるが、迎えた昨シーズン、レギュラーシーズンを2位で終えて進んだプレーオフで優勝。創立7年目にして初のイタリア王者に輝き、初のチャンピオンズリーグ出場を決める。
 
 今季、チャンピオンズリーグのグループラウンドで2位となると、その後、ファイナル4本拠地開催が決まったため、プレーオフを戦わずしてファイナル4へ進んだ。ファイナル4では、ディナモ・カザン、ワクフバンクという同大会で優勝経験のある強豪を倒し、初出場初優勝の快挙を達成した。2006年から2012年までイタリア代表監督を務めた名将マッシモ・バルボリーニ監督の指揮の下、元イタリア代表のベテラン、ピッチアーニ、セルビア代表すてファノビッチ、イタリア代表ティロッチ、ドイツ代表コズーフ、かつてトヨタ車体にも在籍していたアメリカ代表ギブマイヤー、同じくアメリカ代表のセッター、カーリ・ロイドらを擁する。
 
※この事業は競技強化支援助成金を受けて行っております