日本トップリーグ連携機構 トップアスリート活動基盤整備事業 活動報告レポート<第9回>



「後援会・ファンクラブ」

1.会員組織である「後援会」「スポンサー」「ファンクラブ」の現状
 各チームの組織内の地位や呼び方は様々ですが、成り立ちについては同じように感じます。目的ははっきりとしています。「チームの運営資金を安定的に確保する為の組織」と言う事になります。

当初は、チームを運営する為に「管理運営するチームの中心となる人たち」がお金を出し合いチームを発足させ運営する。
それが内なる資金だけでは運営できなくなり、「外部の資金協力者」を探し始め、その人たちを「後援会」等の名称で組織する。
更に、毎年必要となる運営資金は、個人の資金力では限界があるため「スポンサー」として法人獲得の方向へ進む。
そして、地元市民を中心に広く一般個人にも「ファンクラブ」として組織化し安価な会費で多人数を組織して運営資金獲得する。



 以上のような過程を進むのが一般的なようです。

2.「後援会」組織の見直し
 上記に記した「過程」の中で②から③④にシフトアップした時に、組織上は複雑になってしまいます。

個人、法人、入り乱れた:「後援会」
チームの宣伝力を使って、イメージアップを期待する法人:「スポンサー」
チームを応援したいと思う個人:「ファンクラブ」



 この3つの組織がチームのある地域に複雑に絡み合っていることが多いように思います。
 この段階までチーム運営がきた場合、「後援会」は今までの機能の見直しをするべきと思います。チームが存続するか否かの時に、何が何でも存続する為にバックアップしてきた「後援会」はその役目を終えたと考えるべきでしょう。しかし、だからと言ってその資金獲得力を手放すことではありません。
 「後援会」を組織している個人、法人が今までしてきたチームへの貢献を基に、チームの所属する法人の「株主」や「理事」等になって頂くことや、法人なら「スポンサー」、個人なら「特別ファンクラブ会員(仮称)」になって頂くなどの方法で見直しすることが必要です。
 この見直しがなかなか出来ていないチームが多いと思います。このステップを踏むことによって会員組織の整理が出来、「スポンサーメリット」と「個人ファンメリット」がはっきりとしてきます。

3.会員組織体系
「会員組織」の目的は、チーム運営資金の安定的獲得です。そのためには、「分かりやすいメリット」と「明確な金額」が必要になります。複雑な会員組織になるとメリットも複雑に成らざるを得ません。
 そこでお勧めしているのが、

法人:スポンサー
個人:ファンクラブ



  という明確な2つの組織の「会員組織」です。


【スポンサー】

トップスポンサー   ユニホーム胸位置のロゴ掲載等 2000万円×1
ゴールドスポンサー ユニホーム胸以外のロゴ掲載等 500万円×3
シルバースポンサー  会場内ロゴ掲載等 100万円×20
ブロンズスポンサー  パンフレットロゴ掲載等 50万円×50

(例えば)




【ファンクラブ】(例えば)

特別会員 サインの入った選手全体写真盾 30,000円×100名限定
通常正会員 チケット先行販売、情報提供 3,000円×1万人
子供会員 グッズ等 1,000円




 上記は例として記載しましたが、各レベルも多く作らず、メリットもわかりやすく創るのが必須事項です。そして、特に「ファンクラブ」のメリットですが、物を多くつければ会員に成ると言うものではありません。「ファン」の心理に訴える、特別の「事」「物」であれば納得します。例えば、「選手からのメッセージが届く」等のようなことです。
 何度も行っておりますが、「『会員組織』の目的は、チーム運営資金の安定的獲得」です。貰った会費よりもコストが掛かりすぎて赤字に成っているようなことは、本来の目的にあっていません。会員は、会員に成ってもらうメリットよりも、チームが強くなって誇れるチームに成って貰うことを望んでいるということを勘違いしないことです。

4.会員組織の目指すもの
 今までの記述で既にお分かりと思いますが、「会員組織」は「選手」と同じようにチームの基礎であり、そして両輪となってチームを発展させてゆく原動力と考えます。
 「ファンクラブ」は、広く募集し最初は400〜500人を越えるのが1つの山で、次の山が3000人を超える事でしょう。会員でなければ買えない「特別シート」や「選手との交流パーティ」などを企画して加入促進を進めてゆけばいいと思います。
 「ファンクラブ」の会員たちに先行してチケット販売を行えば、会員のチケット購入率が益々高くなります。それが、後には60%以上が「ファンクラブ」会員によるチケット購入につながり、年間シート販売に繋がって行きます。
 よって、会員組織は会費収入だけがチームにとってのメリットではなく「チケット収入」「グッズ販売収入」などチームの収入に大きく関わるものと考えるべきです。
 チームの今在る「地域性」や「環境」に配慮してどのような会員組織が現状に合っているのかオリジナルを見つける事がもっとも大切な事ですし、すぐやらなければならない事です。