地域活性化に貢献するスポーツ・コミッション
アメリカの国民的スポーツイベント「第44回スーパーボウル」が2月7日に、フロリダ州マイアミで開催された。 スーパーボウルを開催する街では、1週間前から「スーパーボウル・ウィーク」と称する様々な関連イベントが繰り広げられ、観戦にやってくる観光客を楽しませてくれる。私が訪れたときもニューオーリンズにやってきた観客やメディアの数は13万5000人に上り、市内のレストランや土産物屋は大盛況。約400億円の経済波及効果を生んでいた。 大会を開催するにあたってスポーツ・コミッションは自治体と一体になり、会場やメディアセンターの手配をし、選手・観客の輸送手段や宿泊場所の確保をする。その一方で、手続きが面倒な警察や消防等の許可申請を代行し、イベント主催者に様々な便宜を図ってくれるのだ。日本でも映画やテレビのロケ地誘致や撮影支援を行うフィルム・コミッションが全国各地にあるが、これはそのスポーツ版。地域の活性化や観光振興を図る狙いから、アメリカでは多くの街にスポーツ・コミッションが存在する。ニューオーリンズでも「グレーター・ニューオーリンズ・スポーツ・ファウンデーション(GNOSF)」という地元NPOが、自治体を代表する形で大会の誘致、企画、運営を行っていた。 大会をサポートするボランティアの手配を行うのも彼らの仕事で、スーパーボウルの場合は7800人のスタッフが組織されていた。大学生、家庭の主婦、老人とその年齢層は幅広いが、彼らを適材適所に配置。直前の2か月間は観光客に接するときのマナーやノウハウ、移動案内の仕方などをトレーニングしたという。ルイジアナ州が活動を支援している老人のグループも役割を得て生き生きと働いており、アメフトファンかどうかに関わらず、わが街で開催されるビッグなお祭りにみんなで協力し合おうという地域の温かい絆が感じられた。 GNOSFの広報担当者はそう語っていた。こうしたスポーツ・コミッションのあり方は、日本でも参考になるのではないだろうか。 話は戻って今年のスーパーボウル――。セインツの優勝を私が地元ファンのごとく喜んだのは言うまでもない。
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