「ナショナルトレセン」
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スポーツ界悲願のナショナルトレーニングセンター(NTC)が、昨年12月に東京・西が丘に完成し、年明けから北京五輪に向けて始動しています。16種目の専用トレーニング施設に宿泊施設も完備、まさに日本の国際競技力向上の一大拠点が誕生しました。スポーツ大国のほとんどに、こうした施設があり、日本もようやく肩を並べることができました。
選手強化は、選手個々の運動パフォーマンスの向上が中心ですが、十分な休養や栄養補給なども重要です。国立スポーツ科学センターも併設され、医科学・栄養面での支援体制も整っています。
NTCの開設は、国際競技力向上へのスタート地点に立っただけです。施設を各競技団体が有効活用して、よりよい成果を生み出すことができるか、ということです。
方策は2点に集約されると思います。1つは各競技団体が連携し、情報交換しながら切磋琢磨し、「チームジャパン」としての意識を醸成すること。もうひとつは徹底的な体力強化です。
体の小さな日本人が世界で戦うためには、高次元の体力が必要です。技術が優れていても、体力がなければ過酷な国際大会を勝ち抜くことはできません。また、高いモチベーションを維持することもできません。
施設を利用する競技団体には、一過性でなく恒常的に、世界で活躍するトップアスリートをいかに輩出するかが問われます。日本独自の知恵と工夫を期待しています。
※平成20年3月27日 東京新聞夕刊コラム「放射線」より転載
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