「ゴールドプラン」

 日本オリンピック委員会(JOC)は2001年にゴールドプランを策定し、スタートさせました。1964年の東京五輪では、金16を含む29個のメダルを獲得した日本ですが、32年後の96年アトランタ五輪では14個に終わるなど低迷が続いております。プランは10年間かけ、国際競技力を高め、メダルを倍増することを目標に策定されました。
 それまでのJOCは選手強化に指導力を発揮する立場ではなく、各競技団体が強化した選手を、五輪等の国際大会に派遣することが主体でした。
 先進国の多くが、選手強化に国を挙げて取り組んでおり、日本でも埋もれた人材を見つけ、育て、生かすための、総括的な施策を導入する必要に迫られていたのです。
 プランには競技者育成システム、コーチ・エリートアカデミーをはじめとする強化プログラムと、ナショナルトレーニングセンターの整備をはじめとする環境整備プログラムなど、強化施策全般が盛り込まれました。
 スタートして最初のアテネ五輪では、金16を含む37個のメダルを獲得、過去最高の成績でした。しかし、成果が出たと考えるのは早計だと思います。日本が国際大会で常に上位に位置するようになった時、はじめて成果が実ったといえるのです。

※平成20年4月17日 東京新聞夕刊コラム「放射線」より転載