「オリンピック招致」

 2016年オリンピック(五輪)の開催候補都市として、東京が招致活動を繰り広げています。最終決定は開催年の7年前ですので、来年の10月には国際オリンピック委員会(IOC)委員の投票で開催都市が決まります。
 日本では1964年の東京、72年の札幌、98年の長野と、3回の五輪が開催されました。大会運営については、いずれも国際的に高い評価を受けました。日本人の緻密で周到な準備と、実行力をもってすれば、その評価も順当なものだと思います。
 五輪開催には多額な予算が必要です。準備にも大変な時間と労力がかかるのも事実です。さまざまな理由から、反対を唱える人もいると思います。
 経済的なことだけを考えれば、投資した金額とその経済効果、という論法になってしまいますが、五輪の開催はその国の競技スポーツの向上、振興など、計り知れない効果をもたらします。
 五輪は人類の作り出した、世界最大の平和の祭典です。殺伐とした話題の多い世の中で、子どもたちに夢を与えることのできる、数少ないイベントだと思います。日本が元気になる。子どもたちが夢中になって選手たちを応援する。そして、将来のスポーツ選手を夢に見る。五輪を東京に!私はその実現を強く願っています。

※平成20年5月1日 東京新聞夕刊コラム「放射線」より転載