「国際力」
1964年の東京五輪は、93の国と地域が参加、選手数は5152名、実施種目は163種目でした。それから約半世紀、今年8月に開催される北京五輪には205の国と地域、1万5000人の選手が参加するといわれ、実施種目は302種目になります。五輪は約50年で倍の規模になったといってよいでしょう。
世界の選手が、4年に1度の大会を目指して厳しいトレーニングを積んでいます。その中で世界の頂点に立つのはたやすいことではありません。
フィールド外での戦いもしれつです。技術、戦術など、さまざまなデータを分析し、選手やチームにフィードバックする情報戦略も極めて重要ですし、各競技の国際連盟等における発言力もルールの改正やレフェリングなどに大きな影響を与えます。過去には、日本の強い競技が、ルール改正によって不利な展開に追い込まれた例もあります。
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五輪や各競技の国際大会は、組織を挙げての総力戦になっています。日本のスポーツ界は、語学のハンディキャップなどから、国際社会における発言力が弱いといわれてきました。国際組織のメンバーとして、運営に携わっている人数もまだ少ないのが現状です。
日本のスポーツ界は、国際力を養い、国際感覚をもっと磨く必要があります。そのことが、選手たちが力いっぱい戦える環境づくりにつながるのです。
※平成20年6月5日 東京新聞夕刊コラム「放射線」より転載
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