アスリートの食事学 Vol.2

2008/10/08




河谷 彰子



ご飯をもっと食べて欲しい!

 皆さんは、1回の食事でどの位のご飯を食べていますか?
ご飯を “しっかり” “たくさん” 食べて欲しいなという場面に、よく遭遇します。
さらに、ご飯には炭水化物以外にも、アスリートにとって欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
下の表は、1日の摂取エネルギー量別に見た最低限食べておきたい1食あたりの主食量(ご飯もしくは、パンの場合)の目安です。

目安となる
1日の
摂取エネルギー量
3000kcal 3500kcal 4000kcal 4500kcal 5000kcal
丼2/3膳
(約250g)
丼1膳
(約300g)
丼1膳強
(約350g)
丼1膳
+おにぎり1個
(約400g)
丼1.5膳
(約450g)
6枚切り
2.5枚 3枚 3.5枚 4枚 4.5枚


 さて… 朝食から、みなさんはこの量を食べているでしょうか?
一度、どの位のご飯を食べているか量ってみてはいかがでしょうか?

 主食である、ご飯・パン・麺類をしっかり食べないと、日々のトレーニングで消費するエネルギー量を補うことができなくなり、疲労回復がスムーズにできなくなるだけでなく、筋肉量の減少にもつながってしまいます。
 プロテインを飲んでいるのに思うように筋肉がつかないという選手は、必要とされる食事量を十分に摂れていないケースがよくあります。
 ご飯やパンなどの主食には、以下のような栄養素が含まれています。

エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
ビタミンB1
(mg)

鶏卵1個(50g)

76 6.2 5.2 0.2 0.03

精白米めし
丼1膳(300g)

504 7.5 0.9 111.3 0.06

玄米めし
丼1膳(300g)

495 8.4 3 106.8 0.48

6枚切り
3枚(180g)

475 16.7 13.2 84.1 0.13



 ご飯やパンに意外とたんぱく質が多く含まれていることがおわかりでしょう。
 さらに、疲労回復や炭水化物をエネルギーに変える時に欠かせないビタミンB1を多く含みます。
 トップアスリートの中には、ご飯に、玄米強化米(ビタミンB1を吹き付けたもの)を白米に混ぜて食べている選手をよく見かけます。

 “そんなにたくさん食べていない” “そんなに食べることができない” というのであれば、ちょっとした工夫や環境を整えることで、今よりもご飯の量を増やすことができます。


補食



 3食のご飯は食べていても、量が少ない場合は、補食(食事と食事の間の食事)を食べて、1日の食事量を増やすことも勝てるアスリートを目指すために、とても大切です。
 朝練後・昼食と夕食の間・夕食から寝るまでの間…色々なタイミングがありますよね。
 特に、練習後に炭水化物を摂取することは、スタミナをアップさせる最高のタイミングです。(これについては、別の機会でご説明致します。)
 補食の内容は、おにぎり・サンドイッチが手軽ですし、コンビニなどで手に入れやすいでしょう。


朝食



 厚生労働省が毎年実施している国民栄養調査では、高校生の年代から急に朝食の欠食率が高まっています。 
 “成績が良い子供は、朝食を食べている。” という調査結果があります。
 炭水化物は脳のエネルギー源であるということが、一つの理由として挙げられます。
 朝食を十分に食べずに練習をしたら、集中力が欠けてしまい、もしかしたら怪我をする確率をあげてしまうかもしれません。朝から試合という日だけたくさん食べることは、困難です。
 普段からしっかりと朝食を食べる習慣が勝てるアスリートの必須条件です。
そして、


家族みんなが食べる習慣がなければ、
子ども達にもその習慣の大切さを伝えることはできませんよね。

 今よりもさらに勝てるアスリートを目指すために、厳しいトレーニングをしている方々にとって、食事はとっても大切なのです。まずは、ご飯の量から見直してみませんか?

 ちなみに、スタミナ(持久力)アップしたいと思っているアスリートは、さらに主食をたくさん食べる必要があります。まずは、普段の食事からご飯の量を増やすことが大切かもしれませんね。




河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。