アスリートの食事学 Vol.14
2009/01/05
河谷 彰子
● 風邪予防の食事
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冬は特に風邪対策に気を遣いたい季節ですね。
トップアスリートが、トレーニング後に風邪予防のためにまずすることは、手洗いとうがいです。簡単なことですが、一番大切なことです。
冬は空気が乾燥していて、風邪の主な原因であるウイルスが他の季節に比べて空気中を飛び回るため、風邪をひく確立が高まります。部屋や電車などは、ある程度密閉された環境であると共に、室温が低いことを理由に窓を開ける回数が減り、空気の入れ替え回数が減るため、さらにウイルスが増えるという環境でもあります。それに加えて身体の抵抗力が弱まっていると、風邪をひきやすくしてしまうのです。手洗いとうがいは、身体に付いたウイルスを洗い流すという最も基本的な予防法なのです。
健康を維持するためにバランスの良い食事を心がけることは基本的なことですが、さらにどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか?
<抵抗力を高める>
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身体に入ってしまった風邪のウイルスに対抗するためには、抵抗力が必要になります。抵抗力を高めるためにも、たんぱく質を毎食に食べていることが大切です。
朝食がパンだけという方は、卵などの主菜を食べることが風邪予防への第一歩として大切かもしれませんね。
<粘膜を正常に保つ>
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風邪対策に必要なビタミンというとビタミンCを連想される方も多いでしょう。
たしかにビタミンCはコラーゲンの生成に関与していて、身体の抵抗力にもつながる身体に必要なビタミンです。
食事調査をしてみると、アスリートに限らず、運動をしていない方でも果物を食べ過ぎていたり、果物のジュースを飲みすぎている方が多いように感じます。果物だけがビタミンCを補給できる食材ではありません。野菜不足が叫ばれている昨今、野菜はもっと食べて欲しいなと感じます。(Vol.4参照)
野菜を必要な量食べていれば、ビタミンCのみならず、その他の必要なビタミンを摂ることができます。毎食に野菜を食べると、疲労回復のみならず風邪予防になりますね。
果物はデザート的な感覚でフレッシュなものから食べていれば良いです。
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特に、運動をしていない方の場合は、1日1.5回もしくは2日で3回のタイミングで果物を食べたら良いでしょう。
果物の食べすぎは、糖分の摂り過ぎにつながり体脂肪を増やしてしまいますよ。
ウイルスは、粘膜(目・耳・鼻腔など)から侵入します。ビタミンAは、粘膜を正常に保つ役割があるため、不足すると風邪をひく確立が高くなることにつながります。ビタミンAは、緑黄色野菜に多く含まれます。
1日に必要な野菜量の1/3〜1/2は緑黄色野菜(カボチャ・ピーマン・ニンジン・ほうれん草・トマトなど)であることが大切です。
さらにビタミンAを多く含む食品には、卵・乳製品などもあります。
主食・主菜・副菜がそろっている事が、やはり大切なんですね。
朝食にパンと卵はそろっているという方は、緑黄色野菜入りのサラダやスープ、さらに牛乳も風邪予防に欠かせないかもしれませんね。
<さらに予防するには>
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空気が乾燥しているためウイルスが空気中を飛び回るのであれば、乾燥しない環境を作ることも大切です。
加湿器・マスクは、乾燥を防ぐ必須アイテムです。
自分の家であれば、ある程度の環境管理はしやすいですが、遠征先では特に注意が必要です。
加湿器をホテルから借りることができれば、お願いすると良いでしょう。
マスクは、寝ているときの乾燥予防に、とても有効です。飛行機やホテルは特に空気が乾燥している上に、寝ているときに口が開いていると喉の粘膜を乾燥させてしまいます。マスクは、息苦しいから・・・という方もいらっしゃるでしょう。最近では、口や鼻とマスクが密着しないような構造のマスクもありますので、是非お試しください。
ホテルでは空調が効いていて特に乾燥しています。バスタブにお湯を張ったり、空調近くや、自分の枕元にぬらしたバスタオルや洗濯物を干しておくと、良いですよ。朝起きた時に、良く乾いていて驚くでしょう。
さらに気をつけたいのが、水分補給で使用するスクイーズボトルです。
トレーニングの度に使用するものですから、毎日清潔に保っていなければいけません。
しっかりと消毒できるような洗浄方法が必要です。ボトルの中は、いつも擦って洗っていますか?のぞいたら汚かったなんてことはありませんか?
ボトルを共有して使用する場合は、風邪予防のためにも、口をつけないようにして飲むことが大切です。さらに、屋外競技であれば、吸い口の部分についた雑菌を体内に入れないようにするためにも、少し水を捨ててから飲むことも風邪予防には欠かせないことですよ。
厳しいトレーニングをしているからこそ、身体は体力が落ちがちです。いかに風邪を予防するかが、とても大切になります。
風邪をひいてしまっては、せっかくつけた瞬発力や持久力も落ちてしまいます。是非気をつけて、冬を乗り切りましょう!
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