アスリートの食事学 Vol.15

2009/01/13




河谷 彰子



ささみもっちりあんかけ



 肉の中でも、脂肪がもっとも少ないささみ。
 でも、脂肪が少ない分パサパサしていて食べづらいですよね。
 ささみ料理といってもバンバンジー位しか思い出せなかったりと、どうもバリエーションが少なくなりがちな食材の一つです。
 そこで、この時期によく登場するお餅を使って、美味しくヘルシーな一品をご紹介致します。


材料(4人分) 作り方
 ささみ
角餅
醤油
料理酒
人参
しめじ
椎茸
白菜
小松菜
生姜

和風だし
レモン

片栗粉
大根おろし
水菜
8本
6個(約300g)
適量
適量
40g
40g
4枚
80g
40g
少々
3カップ
小さじ1
1個
小さじ1
大さじ1
適量
40g
1.ささみの筋を取り、観音開きにして薄く広げる。
  料理酒をふり、下味をつける。
2.餅を縦長に切りトースターで焼いた後、醤油と絡める。
3.1の水分をふき取り、広げて2を巻く。
  (餅がはみ出さないように注意)
4.テフロン加工のフライパンで、3の巻き終わりを下にして初め焼き、
  全体を転がしながら焼く。
5.人参は短冊に切り、しめじは小房に分け、椎茸は薄く切り、
  白菜と小松菜はざく切りにする。生姜は千切りにする。
6.鍋に分量の水を沸かし、だし・生姜を入れ、
  人参・しめじ・椎茸・白菜の順に加えて煮る。
  火が通ったら小松菜を入れる。
  塩を加えた後に、レモン汁を加えて味を調える。
7.水溶き片栗でとろみをつける。
8.4を皿に盛り、7をかける。最後にレモンの皮のすりおろしと飾りに
  水菜を乗せる。

 1人分 エネルギー:288kcal たんぱく質:25.2g 脂質:1.4g

 ささみのパサパサ感をあんかけがカバーしてくれ、餅を入れることで、固さをカバーしています。
 調理の過程でも油を使用していないため、非常に脂質量が低くなっています。
 夕食が遅くなってしまったときの一品としても良いですし、身体を絞りたい時の1品としても美味しい料理です。



餅とアスリート



 アスリートの補食としてもよく登場する餅ですが、餅はどのような食べ物なのでしょうか?
 餅はご飯に比べて消化が早いため、グリコーゲンの貯蔵量が減少した、特に持久力を高めるトレーニング後に食べる食品として適しています。(Vol.8参照)さらに、試合前に食べる食品としても適しています。( Vol.10参照)



食品名

(100g当たり)
エネルギー

(kcal)
たんぱく質

(g)
脂質

(g)
炭水化物

(g)
精白米
356 6.1 0.9 77.1
もち米
356 9.2 1.3 73.4
めし
168 2.5 0.3 37.1
235 4.2 0.8 50.3


 含まれている栄養素は、精白米ももち米も基本的には同じと考えて良いでしょう。
 餅はもち米から作られているので、めしと比べても同じはずですが、水分が少し飛んでいる分、同じ重量を比較した際に、餅の方が全ての栄養素が多くなります。
 パクッと食べやすい分、食べ過ぎになりやすい、つまり胃も垂れしやすいのはそのためです。
 餅1個はお茶碗約1/2個分に相当します。
 身体を絞りたいと考えている方は、野菜と組み合わせることで餅の食べ過ぎにならないように気をつけましょう。(Vol.12参照)





河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。