アスリートの食事学 Vol.16



2009/01/19




河谷 彰子



ナイトラン実施中の方々へ


 先月行なわれたホノルルマラソンの参加人数は23,200人!
 内、日本人は14,400人!!
 ランニング人口が増加しているようですね。
 来月には年々人気が上昇している東京マラソンもありますが、仕事をしながらトレーニングする場合、どのようなタイミングで食事をしたら良いのかと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 ランニング前に食べたらお腹が痛くなるかも・・・
 でも、ランニング後だと時間が遅くなる・・・
 さて、いつ何を食べたらよいのでしょうか?

<ポイント1 夕食を2回に分ける>

 ランニング前は炭水化物(ごはん・パン・麺など)を中心に食べ、ランニング後にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)であるおかずと野菜を中心に食べるのがポイントです。
 2回の食事を合わせて3種類もしくは5種類(Vol.1参照)になれば良いのです。
 食事を2回に分けることで寝る直前に食事をして胃腸に負担をかけるということがありません。(これは、忙しくて夕食が遅くなりがちな方にも同じことが言えますね。)

<ポイント2 1回目の夕食はトレーニング中にお腹が痛くならない程度に>

 ランニングの“2〜3時間前”に1回目の食事を済ますということが理想です。現実的に難しい場合には、ランニング直前に食べるのではなく、なるべく食事と走る時間を空けて消化の時間を作ることがポイントです。
 油など消化に時間のかかるものを避けて炭水化物中心のもの、具体的にはおにぎりが良いでしょう。パンでも良いのですが、サンドイッチやデニッシュパンに代表される脂肪の多いものは消化に時間がかかってしまいますので、食べる量に気をつける必要があります。あまり時間があけられない場合には、バナナ半分やゼリー飲料なども良いでしょう。
 食べる量は、ランニング中にお腹が痛くならない程度が目安です。初めは、おにぎり半分から初めてみてはいかがでしょうか?
 個人差が大きいので少量から徐々に試してみて、自分に合った量を見つけることが大切です。

<ポイント3 2回目の夕食は低脂肪で>

 ランニング後なるべく早くに2回目の食事を食べることが疲労回復の観点からも大切です。1回目の食事で食べなかったおかずや野菜などを中心に食べるということが基本の考えになります。
 就寝まであまり時間がない場合には、消化に時間のかかる揚げ物など脂肪の多いものは避け、消化を助けるためにもよく噛んで食べると、なお良いでしょう。
 冬の時期なら鍋物が手軽でお勧めです。でも仕上げのうどんや雑炊は控えめに。なぜなら1回目の食事で食べているのですから!



 走って、食べて、健康で格好良い身体を目指しましょう!







河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。