アスリートの食事学 Vol.19

2009/02/09




河谷 彰子



ヘルシーハンバーグ


 おかずの一品としてひき肉は色々な料理に使われますが、100g≒220kcalと脂肪が多い分、エネルギーが高い肉類です。たんぱく質はしっかり摂りたいけど余分な脂質は抑えたいというときに、ちょっとした工夫で低脂肪料理にアレンジすることができるのでご紹介致します。

1人分 エネルギー:227kcal たんぱく質:15.7g 脂質:14.9g


材料・分量
(4人分)

合いびき肉 

200g
木綿豆腐 

200g
ミックスベジタブル  50g
玉葱  1/2個
パン粉  大さじ2
牛乳(または水)  大さじ1

卵  1個
ナツメグ・塩・胡椒  少々
小麦粉  適量


1.豆腐を鍋に入れ火にかけ、菜箸を何本か使ってグルグルかき回す。
  しばらくして水気と豆腐が分離したらザルにあけ、水気を切り、冷ます。
2.沸騰した湯に塩をひとつまみ入れて、ミックスベジタブルをさっと茹でる。
3.玉葱をみじん切りにし、テフロン加工のフライパンで油を使用せずに、
  あめ色になるまで炒め、冷ます。
4.パン粉に牛乳(または水)を加え、湿らせておく。
5.を全て合わせ、粘りが出るまでよくこねる。
6.ハンバーグの形を整え、火が通りやすいように真ん中をくぼませる。
  周りに薄く小麦粉をまぶす。
7.熱したフライパンに油を敷き、強火で両面を焼く。
  その後、中火にして蓋をして中まで火を通す。



 コクが欲しい方はスライスチーズを乗せたり、肉の割合を高めると良いでしょう。
 肉の半分を水切りした木綿豆腐を使うと、グーンとエネルギーをカットすることができますよ。でも、食感はそのままで美味しいです。
 豆腐を加えずに全て肉(1人分100g)で作った場合、エネルギー:302kcal たんぱく質:21.3g 脂質:20.4gになります。
 ちょっとした工夫で、家族全員が同じメニューを食べることができますね。
 肉の部位別の栄養素(Vol.5)・豆腐の栄養素(Vol.6)については、以前ご紹介していますが、ひき肉について見てみましょう。

100g当たり エネルギー たんぱく質 脂質
224kcal 19.0g 15.1g
221kcal 18.6g 15.1g
166kcal 20.9g 8.3g



 ひき肉は、脂身も赤身も一緒に挽いているため、部位によってはひき肉の方がエネルギーが高くなっています。基本的には挽いている肉の種類によって含まれる栄養素に特徴があります。
 ・牛肉:鉄分が多いため、貧血予防に気を遣っている方に便利な食材。
 ・豚肉:ビタミンB1が多いため、持久的なトレーニングが多いときに便利な食材。
 ・鶏肉:脂質が少ないため、身体を絞りたいと考えている方に便利な食材。


 ひき肉は、空気に触れる面が肉に比べて多いため鮮度が落ちるのが早いです。黒っぽく変色していたり、肉汁が出ているものは注意です。買ってきたら、その日のうちに使いきりましょう。保存しておきたい場合は、生の状態で冷凍するのではなく、調理後に冷凍保存をすると良いです。


 今回は、木綿豆腐でご紹介しておりますが、同じ大豆製品である凍り豆腐でも同様にヘルシーになります。その際の作り方は、
 1.凍り豆腐をおろし金でおろす。
 2.60℃の湯に25〜30分浸し、その後水にとり、押し絞る。
   (戻し率は6倍・高野豆腐1個≒20g)
 3.凍り豆腐と同重量のひき肉と合わせてハンバーグにする。

 今回ご紹介したものは、ひき肉料理全般に応用して使うことができる技です。

ドライカレー つみれ そぼろ







河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。