アスリートの食事学 Vol.28

2009/04/10




河谷 彰子



お弁当配分の極意



 出かける時、カバンの中にどんな食べ物が入っていますか?お弁当を持ち歩くこともあるでしょう。
勝てる身体づくりに十分貢献できる量でしょうか?
バランスは良いでしょうか?
ちょっとしたポイントを抑えていれば、今よりも充実したお弁当になるかもしれませんよ。



お弁当箱の大きさ=エネルギー量 これが目安!


 お弁当だけでは足りず、お菓子や菓子パンを食べてしまうということはありませんか?そもそも、お弁当の大きさは十分でしょうか?
そこで確認したいのが、お弁当箱の大きさです。
    お弁当で食べたいエネルギー量(kcal)=お弁当の内容量(ml)
となっているのが、食べたい量をしっかり食べられる目安です。
容器の底に内容量が書いていない場合は、お弁当箱に水を入れて、計量カップに移して量ってみると良いですね。
現在、使用しているお弁当箱では小さいという方は、新しい容器に変えるのも一つですが、容器を組み合わせて、必要な量を満たすのも良いでしょう。



お弁当の半分はごはん!



 自分に必要なお弁当の大きさが分かったところで、配分です。

ご飯(主食):お弁当の半分
おかず(主菜):ご飯の残りのスペースの1/3
野菜料理(副菜):ご飯の残りのスペースの2/3

持ち歩いても中身が寄らないようにしっかりと隙間がないように詰めることもポイントです。

<お弁当箱1つの場合の例> <お弁当箱2つ又は2段の例>




お弁当の半分はごはん!


 今までのお弁当ではご飯の量が少なかったと言う方はいらっしゃいませんか?
 
ご飯は、アスリートには欠かせなかったですよね。Vol.2のコラムを参考に、1食当たりのご飯の量を基準に、お弁当箱の大きさを決めるというのも1つです。
 
揚げ物がおかずに必ず登場すると言う方はいらっしゃいませんか?
 
揚げ物は、1品に抑えておくことが脂肪をとりすぎないポイントです。
野菜を十分な量をお弁当で食べることは、なかなか難しいと感じている方もいらっしゃるでしょう。残念ながら、その通りです。
 野菜料理をお弁当に入れることを基本に、不足分を野菜ジュースから補うことも良いでしょう。

 さらに、乳製品と果物を加えたいという場合は、
別容器を添える持ち歩きしやすいもので用意すると良いでしょう。

賢く節約!お弁当を安く済ませるコツ


 お弁当を家から用意せず、外で調達する場合は、どのようなことに気をつけたらと良いでしょう。

 アスリートとして、ご飯はしっかり確保したいところ。でも、コンビニのおにぎりは、1個¥100ちょっと、約100g。3〜4個を買うと¥300〜500にもなってしまいます。ご飯量を確保するためにも、食費を安く済ませるためにも、ご飯は家から持っていくというのはいかがでしょうか?

 また5種類をそろえたい時に、果物・牛乳・ヨーグルトなども外で買うと割高感を感じる食べ物なので持っていくと良いでしょう。

 さらにチームメイトと一緒に分けながら買うと安くなりますよ。例えば、牛乳であれば、小さなパックを買うよりも、1Lのパックを買って、皆で分けて飲むということです。

 食費を抑えても、バランスよく食べることができますよ。

勝てるアスリートの身体づくりのためにも、賢くお弁当を有効活用しましょう。




河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。