アスリートの食事学 Vol.31

2009/05/11




河谷 彰子



けっこう美味しい!納豆ピザ

 納豆が洋食に!?
え〜と思う方もいらっしゃるでしょう。でも、案外これが美味しいんですよ。


材料・分量 (1枚分 エネルギー:325kcal たんぱく質:16.1g 脂質:14.1g)
食パン(6枚切り) 2枚
ピザソース     大さじ2
納豆        1パック
納豆のたれ    1袋
卵黄        1個分
とけるスライスチーズ  2枚
のり         少々
作り方
1.食パンにピザソースを塗る。
2.納豆をかき混ぜ、たれ・卵黄を混ぜて1に乗せ、トースターで3分焼く。
3.卵黄が固まりかけたらスライスチーズを乗せ、さらにトースターで3分焼く。
4.きざんだのりを乗せて、できあがり!

 卵白も納豆に混ぜても良いですが、パンから納豆や卵がこぼれてしまったり、トースターで焼いて固まるまでに時間が多少かかります。残った卵白は、スープの具に。かき玉子にして入れてしまうと良いですよ。



冷蔵庫・冷凍庫には納豆を入れておこう!


 冷蔵庫に常備して欲しい食品の1つに納豆があります。(Vol. 24参照)
 冷蔵庫から出して、混ぜて食べるだけ!料理いらずのお手軽食材です。
 アスリートの食生活を見ていて納豆好きの選手ほど、食事管理がしっかりできているように感じます。忙しい朝で、食事の準備に時間がかけられないとき、ご飯がもう少し食べられそうなとき、1日1パックはグルグル混ぜて食べてみてはいかがでしょう。
 納豆は、冷凍保存が可能だということをご存知ですか?
 つまり、まとめ買いができます。納豆は季節を問わず安価なため、何より経済的な食材ですね。
 朝食用には、夜のうちに冷凍庫から冷蔵庫へ移しておけば良いですし、もし忘れてしまっても1パックあたりレンジで20秒ほど温めればOK!
 パックのふたを開けて、タレ類を取り出してから温めましょう。




納豆は低脂肪な食品!さらに貧血予防や強い骨作りに良い食品!


 納豆は、“畑の肉”とも呼ばれている大豆から作られているだけあって、植物性たんぱく質が多く含まれている食品です。肉類のように脂質を心配せずに食べることができます。そして、意外にも鉄分が豊富に含まれています。貧血を予防しておきたいアスリートには嬉しい味方です。
 また、大豆そのものと異なり多くのビタミンK2が含まれています。ビタミンK2はカルシウムを体内に取り込むのを促進するため、骨を丈夫にするのを手伝ってくれます。


肉類(100g)と納豆(50g)の比較
100gあたり 部位名 エネルギー たんぱく質 脂質
輸入牛肉 ヒレ 133kcal 20.5g 4.8g 2.8mg
もも 182kcal 21.2g 9.6g 1.0mg
大型種肉 もも 183kcal 20.5g 10.2g 0.7mg
ロース 263kcal 19.3g 19.2g 0.3mg
若鶏 胸肉(皮あり) 191kcal 19.5g 11.6g 0.3mg
もも 200kcal 16.2g 14.0g 0.4mg
納豆 (50gあたり) 100kcal 8.3g 5.0g 1.7mg




食べ方色々


 納豆かけご飯にするとき、薬味には何を入れますか?
 万能ねぎ・しらす干し・明太子・刻んだ漬物・卵・めかぶ・オクラ・梅肉・胡麻・キムチ・・・色々なものを薬味として入れても美味しいですね。
 
味付けに工夫をしている方はいらっしゃいますか?

わさび: 大人の味付けになって酒の肴にもなりますよ。
味噌: もろ味味噌風になります。野菜スティックに付けて食べても美味しいですよ。
塩+ゴマ油 マグロやイカなどの海鮮との相性が良いです。
付属のタレ
+マヨネーズ:
味がまろやかになって、子供にも食べやすいです。
納豆を和え衣のように使うこともできます。



 青菜の納豆和え・山芋とマグロの納豆和え・イカの納豆和え・・・
 今回のピザのように、チーズとの相性も良いです。お好み焼きに納豆とチーズを入れても美味しいですよ。是非、こちらもお試しください。
 

あなたは、どんな食べ方がお好きですか?
 さらに補足すると、納豆はかき混ぜが命!!
 納豆は、まず優しくほぐした後に力強くグルグルとかき混ぜましょう。
 混ぜる目安は50回。空気を入れるように混ぜて、糸を十分に引かせるようにすると、粘り成分に含まれる旨みを十分に感じられる納豆になります。味つけはこの後に。先に味付けてしまうと十分に粘りが出せなくなってしまいます。
 筋肉づくりにも骨作りにも良い納豆だからこそ、是非毎日の食卓に登場させましょう!そして、色々なアレンジで楽しんでみましょう!





河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。