アスリートの食事学 Vol.39



2009/07/13




河谷 彰子



ヨーグルトのアレンジメニュー

 乳製品は、アスリートが1日3回、食べて欲しい食品の1つです。
 それは、たんぱく質とカルシウム、さらにはビタミンAの供給源になるからです。
 乳製品を食べずに、色々な食品から栄養素を補給することはできますが、乳製品を食べるだけで解決することがたくさんあるんですよね。
 そこで、コラムVol.36に登場したフローズンヨーグルトのレシピをご紹介致します。
 まずポイントとなる、水切りの方法から!

用意するもの
プレーンヨーグルト

ザルとキッチンペーパー

 もしくは

ドリッパーとコーヒーフィルター

作り方
1.ザルにキッチンペーパーをしき、ヨーグルトを入れる。

 (少量であれば、レギュラーコーヒーを入れる

  ドリッパーとコーヒーフィルターを使ってもOK!)

2.ラップをして、冷蔵庫に30分〜一晩入れておく。


 水切りする時間によって風味が変わるので、自分好みを探してみましょう。
 また、水切りした際に出てくる乳白色の水分は乳清(ホエイ)です。捨ててはもったいないですよ。
 後ほど、詳しくお話し致します。

定番:濃厚なフローズンヨーグルト

4人分の材料・分量
ヨーグルト1パック(500〜450g)
好みのジャム 適宜
乳清(ホエイ) ジャムと同量
作り方
1.30分ほど水切りしたヨーグルトを、ジッパー付き冷凍用保存袋にいれ、薄く広げて冷凍庫で凍らせる。
2.食べる分だけ、折って盛り付ける。
3.ジャムは同量のホエイで溶き、2にフルーツソースとしてかけて食べる。

アレンジ1:フローズンフルーツヨーグルト

 ヨーグルトに砂糖やお好みの果物を混ぜて、上記1の要領で冷凍する。
 そのままでも美味しいのですが、半分凍ったところで果物を少しつぶし、さらにしっかりと凍らせると、ほどよく味がなじんで美味しいですよ。
 ただし、生のキウイ・パパイヤ・パイナップルなどにはタンパク質を分解し、から苦みペプチドをつくる酵素があるので、一度、火を通してから使いましょう。
 缶詰やドライフルーツなら大丈夫です。
 ちなみに、凍らせても乳酸菌は生きています。


アレンジ2:フレッシュチーズの代わり

 美味しい食べ方は、凍らせるだけではありません。
 ヨーグルトを水切りすると、水分が抜け、フレッシュチーズのような食感になります。
 凍るまで待てない!という場合は、フルーツを加えたりや甘味を付けてそのままどうぞ。
 水切りしない通常のヨーグルトを食べるよりも、ぐっとデザートらしくなりますよ。


アレンジ3ホイップクリーム・生クリーム・クリームチーズ・バターの代わり

 ホイップクリームの代わりにホットケーキやワッフル、シフォンケーキなどに添えても美味しいです。甘味を付けるか付けないかはお好みで。
 さらに、生クリームやクリームチーズ・バターを使うデザートの材料としても使うことができます。
 ムースやレアチーズケーキはもちろん、スコーンなど焼き菓子もOKです。

アレンジ4:キュウリとミックスナッツのディップ
 ヨーグルトは甘味だけではなく、塩味やコショウなどのスパイスとも良く合います。
 野菜やパン、揚げ物などにつけても美味しいディップをご紹介します。
 これはサンドイッチの具材にもおススメです。


作りやすい分量
ヨーグルト 1パック(500〜450g)
きゅうり       1本
ミックスナッツ   大さじ4
塩         少々
粗挽き黒コショウ 少々
作り方
1.ヨーグルトを一晩かけてしっかり水切りし、半量位にする。
2.みじん切りにしたきゅうりを塩もみし、清潔な布巾を使って、しっかりと水気をきる。
3.ミックスナッツは軽く炒って、粗く刻む。
4.ヨーグルトに2と3を加え、塩・コショウで味を調える。

 この料理は、トルコ料理のスネジャンカ(白雪姫の意味)をアレンジしたものです。
 本来はきゅうりとくるみを入れますが、今回はミックスナッツでご紹介致しました。
 手に入りやすいナッツでアレンジしてみてはいかがでしょうか?
 ディップに入れるその他の具材例として、ハムと玉葱・スモークサーモンときゅうりなどもお勧めです。
 ディップでなく、そのままでもサラダのトッピングにしても美味しいですよ。

1.捨ててはもったいない、乳清(ホエイ)!

 ヨーグルトから出てきた乳白色の液体は乳清(ホエイ)と言います。
 サプリメントのプロテインに書かれている、あのホエイです!
 また、プレーンヨーグルトのパックを開封して、2日目以降に出てくるあれがホエイです!
 乳清(ホエイ)には、たんぱく質・ビタミン・ミネラルを豊富に含んでいますので、捨てはもったいない!是非、上手に利用して美味しく食べましょう。
 お好みのジュースに混ぜて飲むのが一番手軽でしょう。
 また、ヨーグルトに含まれている乳酸は、肉の筋繊維を柔らかくする働きがあるので、乳清に塩とスパイス(胡椒やカレー粉)を入れた漬け汁を作って肉を漬けたり、煮込み料理に使うのもお勧めです。

2.ヨーグルトは、アスリートの強い見方!

 乳製品には、たんぱく質・カルシウム・ビタミンAの供給源として、アスリートには欠かせない食品です。
 牛乳やチーズで食べるのも良いのですが、ヨーグルトは甘味をつけたり、果物と合わせたりして、料理しなくてもデザートのように食べることができるのでとっても便利です。
 特に、甘いものを控える必要のあるアスリートにとっては、デザートにもなるヨーグルトは、重宝する食材ですね。


3.ヨーグルトは牛乳の成分そのまま!



 たんぱく質・カルシウム・ビタミン類などは、牛乳の成分とほとんど変りません。
 さらにカルシウムは乳酸と結びついているため、より身体に吸収されやすい状態になっています。

<ヨーグルトと牛乳の栄養成分比較(100g)>
エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
カルシウム
(mg)
ビタミンA
レチノール等量
(μg)
ヨーグルト
(全脂無糖)
62 3.6 3.0 4.9 120 33
普通牛乳 67 3.3 3.8 4.8 110 38


4.ヨーグルトはお腹がゴロゴロなりにくい!

 牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなるというアスリートもいらっしゃるでしょう。そんな方には、ヨーグルトがおススメです。
 お腹の調子が悪くなるのは、アレルギーではありません。
 小腸内で乳糖分解酵素(ラクターゼ)という酵素が充分に作られないために、牛乳に含まれる乳糖を分解することができないためです。これを乳糖不耐症といいます。
 ヨーグルトでは乳糖が、すでに2〜3割が分解されています。また、ヨーグルトの中の乳酸菌により、残りの乳糖も分解してくれるため、ヨーグルトなら大丈夫だという乳糖不耐症の方も多くいらっしゃいます。

5.乳酸菌でお腹すっきり!

 牛乳との大きな違いは、ヨーグルトには乳酸菌が入っていて、整腸作用があるということです。

<乳酸菌の主な働き>
 ・腸内菌叢(ちょうないきんそう)を良好なバランスに保ち、消化を促進し、便通を整える。
 ・ヨーグルトの風味を良くする。
 ・腐敗菌を抑えヨーグルトの保存性を高める。
 ・乳酸発酵によりたんぱく質やカルシウムなどの消化吸収を促す。
 ・免疫力を高め、有害物質を除去する。

 ヨーグルトに含まれる多くの乳酸菌は、体の中に入ると胃酸や腸での胆汁などにより、腸に達する前に死んでしまいます。
 最近のヨーグルトには、プロバイオティクスといって、生きたまま腸まで届くビフィズス菌を添加した商品もありますが、死んだ乳酸菌の細胞も腸内にいる有害物質を吸着し、体外に排泄する働きをします。これば、食物繊維が腸管内を掃除するのと同じ働きといえるのです。
 ヨーグルトの乳酸菌は、生きていても死んでいても身体に良い影響を与えてくれます
 さらに、ヨーグルトに含まれている乳酸や酢酸などの有機酸も、腸の蠕動運動を刺激し、便通をスムーズにする働きがあります。

 たまに、ヨーグルトに含まれている乳酸菌と代謝産物として血液中にある乳酸を混同している方がいらっしゃいますが、全く別物です。つまり、ヨーグルトを食べて、血液中の乳酸値が上がってしまうことはありませんよ。

6.ヨーグルトの種類

 一般的にヨーグルトは、以下の5つのタイプに分けることができます。

 ・プレーンヨーグルト
 
 砂糖や香料などの添加物を一切加えず、乳を乳酸菌で発酵させただけのシンプルなヨーグルト。
 ・ハードヨーグルト
  原料乳に甘味料や果汁、寒天やゼラチンを加えてプリン状にしたヨーグルト。
  最近は寒天やゼラチンを使用しないものもある。
 ・ドリンクヨーグルト
  ヨーグルトの組織を細かく砕いて液状にしたもの。
  甘味料や果汁を加えることで、安価にしたものがほとんど。
 ・ソフトヨーグルト
  発酵して固まったヨーグルトをかき混ぜて滑らかにし、甘味料や果汁・果肉などを加えたもの。
 ・フローズンヨーグルト
  ヨーグルトに空気を含ませて冷凍したアイスクリーム状のヨーグルト。
  凍結しているが、菌は生きている状態。

7.ヨーグルトと一緒に食べてパワーアップ!

 乳酸菌の一種であるビフィズス菌は、エサとなるオリゴ糖を含む食べ物と一緒に食べると、より整腸作用が高まります。例えば、はちみつ・アスパラ・大豆・玉葱などがオリゴ糖を多く含む食品です。
 また、食物繊維を多く含む食材も、同様の効果が期待できます。
 ヨーグルトを今回ご紹介したように、色々な料理に使うと無理なく実現できそうですね。

 勿論、野菜たっぷり料理の後に、デザートとしてヨーグルトを食べても良いんですよ。

 ヨーグルトにはビタミンCが少ないため、これを補う食品と一緒に食べると、良いでしょう。例えば、イチゴ・オレンジ・グレープフルーツなどがビタミンCを豊富に含む食品です。
 果物の中には、ヨーグルトのたんぱく質を分解して、苦味を出す酵素を持つものもあります。代表的なものはキウイ・パイナップル・パパイヤ・メロンなどがそうです。
 ヨーグルトに混ぜる場合は、時間を置かずにすぐに食べるようにしましょう。

 さて、皆さんはヨーグルトの楽しみ方、どの方法から試してみます?
 勝てるアスリートを目指すためにも、ヨーグルトを美味しくアレンジしてみませんか?





河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。