アスリートの食事学 Vol.44
2009/08/24
河谷 彰子
● 夏ばて知らずレシピ “冷しサラダうどん”
夏の間、練習量が多くなっているというアスリートも多いのではないでしょうか?練習後の食事のときに『暑くて、食欲な〜い。』と言っていませんか?
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食事量が不足すれば、トレーニングでせっかく鍛えても、筋肉が落ちてしまいますし、さらには夏ばてして勝てないアスリートになってしまいますよ。
勝てるアスリートでいるためには、もしくは、さらに勝てるアスリートを目指すためには、練習が増えたら増えただけ、しっかりと食べることが大切。食欲が増すような工夫も大切です。(Vol.37参考)
今回は、簡単に作ることができる美味しいメニューをご紹介致します。
冷しサラダうどん
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(1人分 エネルギー:417kcal たんぱく質:22.8g 脂質:8.5g) 作り方 1.うどんを熱湯でゆで、冷水でしめる。 2.豚肉を熱湯にくぐらせ、食べやすい大きさに切る。 3.溶いた卵に砂糖・塩を混ぜ、薄焼き卵を作り、細切りにする。 4.トマトを半分に、水菜は適当な長さに、キュウリは千切りにする。 5.ワカメを水に戻しておく。 6.器にうどんと1〜5の具を乗せる。 7.お好みで、炒り胡麻・わさび・おろししょうが・海苔などをめんつゆに入れる。 |
この冷しサラダうどんだけでは、必要な食事量を満たすことができないというアスリートの方もたくさんいらっしゃるでしょう。この料理で食欲をわかせておいて、さらに必要な分のエネルギー量や栄養素を満たすように、ごはんとおかずを増やしましょう。
1.料理の見た目にひと工夫
食欲がないときでも見た目が美味しそうだと、“あ!美味しそう!食べてみようかな?”という気持ちになったことはありませんか?その見た目のポイントの1つに色があります。
以前にもお話ししたことがありますが(Vol.29参照)、赤・緑・黄色が入っていると美味しそうに見えます。
一皿の中であれば・・・・
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メニュー全体でも勿論良いです。美味しそうに見えないと感じたら、3色があるかを確認するようにしましょう。
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例えば、下の定食であれば・・・
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赤と黄色が増えたら、雰囲気が変わりますよね。
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・キュウリの漬物の他に赤カブの漬物・梅干し・たくわんをそえる。
・味噌汁の具に、人参を加える。
・野菜炒めなど、もう一品加える。
などの改善策が考えられます。
今回ご紹介した冷しサラダうどんには、赤:トマト 緑:きゅうり・水菜 黄色:卵 が入っていますね。
2.食器やテーブルクロスにもひと工夫
料理のみならず食器やテーブルクロスなどの色も食欲に影響を与えます。
一般的に、食欲が増す色は暖色と呼ばれるオレンジや赤です。
外食産業の中にも、赤をお店の看板に使用している有名なチェーン店もありますね。ファーストフード・牛丼屋・ファミレス・・・あ!居酒屋の“赤ちょうちん”もそうですね。
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一方で、食欲が減退する色は寒色と呼ばれる青や紫です。
食器の色であれば、青の皿よりオレンジの方が食欲が湧きやすいと言えます。
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ただ、寒色は涼しさを演出するのには、向いている色です。
涼しさを演出するために、淡いブルーをテーブルクロスに使うことは、良いかもしれません。
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さらに、お皿にガラス製のものや白いものを使用すると涼しげになります。
盛り付けの際にも美味しく見えるコツがあります。
補色の組み合わせ:対向する色を組み合わせると、両者の色が引き立つ。
例:赤に緑・緑に黄色がその良い例です。
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食材の組み合わせで、彩りを良くするのは勿論、時には器やランチョンマットなど、小物で色のバランスをとることで料理を美味しそうに見せたり、食欲を湧かせることもできますよ。
色々な食器をそんなに揃えられないという場合は、とりあえず“白”であれば、和洋中何でも使えて便利です。
全てを試してみようと思うと、手間がかかりすぎてしまうので、どれか一つ取り入れてみるというのも食欲をわかすポイントとなるのではないでしょうか?
特に食欲が落ちがちな時期、料理が大皿にドーンと盛られていたり、テーブルいっぱいに並べられていると、ゲンナリしてしまうという人も少なくありません。そういう場合は、小皿にちょっとずつ盛り付ける・1つの料理を食べ終わってから次の料理を出してもらうなどの工夫をしてみると良いでしょう。
食事はトレーニングの一部!ではありますが、食事は楽しく美味しく食べていただきたいところです。様々な工夫で勝てるアスリートを目指してみませんか?
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