トップアスリートに聞く食事学 Vol.20



2010/10/12




河谷 彰子

<画: 鈴木 慶光氏>

鈴木 慶光(すずき けいこう)

1971年7月21日生
東京都港区出身
2歳で水泳を始め、明大中野中学時代から兄(鈴木雷天氏)の影響で水球を始める。中学時代に全国優勝。明大中野高校時代は、国体・インターハイに出場。法政大学時代は、日本代表(92〜94年)に選出される。
1995年に三菱東京UFJ銀行(旧:三和銀行)に入社し、2006年3月退社。
同年4月、株式会社パソナスポーツメイトに入社。
現在、株式会社パソナ 営業総本部 スポーツメイト担当マネージャーとしてアスリートのキャリア支援事業に取り組んでいる。さらに慶應義塾大学付属高等学校の水球部にてコーチとしても活動している。

株式会社パソナホームページ:www.pasona.co.jp

 2回目の今回は、選手からコーチとなって、どのようなことを考えているか。
今でも試行錯誤されながら突き進んでいる姿勢を感じるお話しを伺うことができました。


4.強い選手のエッセンス:好き嫌いがない・いっぱい食べる・コミュニケーション・スピード感


 以前、スイミングスクール(小中学生対象)で土日に水球を教えていた際、好き嫌いなくいっぱい食べる子は、強くなると感じました。
 僕は『食べなさい!』とか『おかわりしなさい!』等と言いませんが、食べる早さや食べる順番を見るようにしています。

 順番というのは、均等に食べて、ある程度のスピード感を持って食べることです。しかし、ゆっくりがいけないというわけではありません。
 当時中2に“強くなりそうだな〜”という選手がいましたが、食事中に周りとコミュニケーションをとりながら、とても上手に良いスピードで食べていました。
 外国では、食事は人とコミュニケーションをとりながら楽しむ時間でもあります。スペインでは、夕食に3時間もかける位です。長時間の食事中も、中2のその選手はバランスを崩すこと無く良いものを食べていました。現在、高校2年生ですが、先日の全国大会では優勝していました。当時から、代表になる素質があるなと思っていましたが、是非、代表選手になって頑張って欲しいですね。

 又、視野が広いと良いってよく言いますが、それはただ見える範囲が広いだけではなく、見て感じて空気を読めたり、状況判断できることが大切になってきます。僕はこれをマスターアイと呼んでいます。
 本来マスターアイは〝利き目〟の事を指しますが、単純なマスターアイではなく〝支配する目〟と言うか、マスターする目だと思っています。マスターアイが優れた子は上手になると感じています。
 これは、トレーニングの時だけで何とかなるものではありません。だからと言って、1日24時間全てトレーニングと思う必要もありません。別の分野の方と話をしたり、他人とコミュニケーションをとりつつ、しっかり自分の思考で言葉が発することが1つの訓練になると思っています。コミュニケーションがとれる人間は周りに人が集まったりと魅力を感じるのではないでしょうか。

河谷のコメント:
 コミュニケーションをとりながら食事をする。普段やっていることとは言え、改めて考えると難しいですね。さらに空気が読めることも大切。こちらは、さらに難しいですね。
 ただ色々な選手を観察して感じることは、強い選手は、周りの選手からの信頼が厚いということです。それはアスリートとして強いからという理由だけではなく、コミュニケーション能力が高いからなんだと感じます。こういうことがプレーにも反映されるんでしょうね。

5.選手とコーチのコミュニケーションって大事。


 女子中学生を見ていた最初の頃、何を会話すれば良いか、とても困りました。
 色々考えて試した末に、食事の話を持ち出すと会話がしやすいということに気づきました。コーチングの手法の1つでもある、『小さな質問』から入ることにしました。具体的に言うと『おとといの朝飯、何食べた?』です。
 今朝の食事では会話はすぐに終わってしまいますが、おとといの話だと思い出すのに時間もかかりますし、昨日や今日の事3日分の話ができると考えました。こういうコミュニケーションをきっかけに色々と会話が広がってくると感じます。

 コミュニケーションの大切さを感じるようになったのは、こういうことを続けていくことで、女子選手から男性コーチにはあまり相談出来ないことまで相談してくれるようになっていったからです。コーチとして選手から信頼されているのかなと感じるようになりました。
 コーチとして、選手が安心してトレーニングに集中できるよう、メンタル面も含めて環境を整えてあげたいと考えています。

河谷のコメント:
 おとといの朝食・・・と聞かれたら、選手も“何故、おととい?”とビックリするでしょうね。選手との信頼関係なくしてアドバイスはできないということは、私も痛感しています。そして、私自身どのように信頼関係を築いていくかは、日々あの手この手で試行錯誤しているところです。
 食事についてアドバイスをする立場として感じることは、食事は日常生活の一部だということ。それだけに、いきなりプライベートな話をズカズカと踏み込んで聞き出されて、勝手にアドバイスされたと相手が感じないようにと慎重になるべきだということです。しかし逆手にとると、信頼関係が築けさえすれば、食事の話のみならず、色々な相談もされるということにもなるんですよね。

6.7ヵ年計画。

 現在、慶應高校で週末にコーチをしていますが、チャレンジしてみようかと思った理由は、学生達が素直でインテリジェンスを感じたからです。そして、将来きっと強くなるという可能性を感じました。
 高校3年間と大学4年間を合わせて7ヵ年計画。大学チームでも活躍できる選手を育てて、強くしようと考えています。

 トレーニングを現場で見ることができるのは週末だけなので、平日のトレーニングは、メニューを30種類ほど彼らに見せているだけです。彼らはその中から自分達で選んで練習しています。僕との平日のコミュニケーションはメールや電話で、週末は記録しておいてもらったトレーニングノートを見せてもらっています。何故このトレーニングメニューを選んだのかも記録しておいてもらっているので“こういうのを嫌っているのかな。”“こういうことを考えてトレーニングしているのかな。”等とチェックしています。そのノートの文章力もさることながら、彼らの質問力の高さに驚くこともしばしばです。

 僕はトレーニングメニューの意図は言わないでメニューを彼らに渡しています。すると学生から『慶光さんは、こういうことを考えてトレーニングメニューを考えたと思ったので、私はこう考えました。』『こうなりたいから、このメニューを組み立てたんですけど、慶光さんは、どう思いますか?』と質問してくれるのです。私にとっては期待通りの質問です。それは考えながらトレーニングをしないと、実施したトレーニングメニューの報告だけになってしまって、あまり意味のないものになってしまうと感じているためです。

 セカンドキャリアも同じで、アスリート時代から考えながら行動していないといけないと思っています。そうでなければ、社会人になってからビジネスマンシップは持てないと感じます。

 時間をかけないと、僕のこの思いは伝わらないと思っているので7ヵ年計画で考えています。選手自身が色々なことを考えていく中で身についたことは、社会人になっても十分使えるのではないかと思っています。

河谷のコメント:
 ご自分でトレーニング計画を立てて突き進んできた鈴木さんだからこそ、この方法なのかもしれませんね。〝コーチがいないと、何をして良いかわからない。〟という選手にはなって欲しくないですもんね。それは、選手だからという以上に、今後の人生を考えても大切になってくるエッセンスですね。
 食事についても、ベテラン選手になればなるほど、自分のコンディショニングを自由自在に操っているように感じます。単純に体重を取り上げてみても、年齢によってベストな体重は変化してくるものです。それは、計算で算出されるような単純なものではありません。
 色々試してベストを作り上げるものだと思います。結論は、選手の中にあるのです。アドバイスする側は、その方法をサポートするだけかなと思います。

7.人に教える以上、自分も学び続けないと。

 以前に、スイミングスクールで子供達を教えていた時は『僕はコーチじゃない。ファシリテーター(後援者・補助役・まとめ役)です』と言っていました。そして『スイミングスクールにいるコーチが子供達のコーチだから、その馬車(コーチ)に乗ってついていけば良い。ただ道の選択肢があったら、僕は背中を押してあげるよ』と伝えていました。

 慶應から『コーチをやってみないか』って声をかけていただいた時、“そろそろコーチをしても良い年齢や立場かな”と思いました。そして、自分自身学びながらチャレンジしてみようとも思いました。そこで、僕自身にビジネスコーチをつけることにしました。人に教える以上、自分も学び続けないといけないですし、そうしないと、ただの経験談を語るだけで終わってしまうと感じています。

 僕のビジネスコーチには、色々なことを厳しく指摘されています。例えば、自分の言葉遣いが強すぎる事に気づかされました。そのため今では発言する前に、短時間に十分考えてからにしています。

 コーチは、選手の思考を整理整頓するお手伝いをするという役割もあると感じています。
 僕は今、水に入ってコーチをしないようにしています。それは、この先10年・20年とコーチを続けるためには、彼らに上手に言葉で伝えられなければいけないからです。それには、特に伝え方・言葉・表現の仕方が大事になってくると感じています。

 風間八宏さん(サッカー)が“フィジカルというのは ①身体のサイズ ②スピード ③パワー ④身体能力 と言うが、そう捉えるのではなく、自分自身の身体を自由自在に操ることができる能力だ”とおっしゃっていたことに感銘を受けています。
 僕が水に入ってシュートを見せても、それは僕のフィジカルであって、選手のフィジカルではありません。そこで『自分自身のフィジカルを探そうよ』という言い方に代えました。自由自在に操るために、ボールの投げ方なのか・ウエイトトレーニングなのか・食事なのかを探せば良いのです。そうでないと中長期の強化にはならないと感じています。


8.職業はスポーツ 仕事がアスリート。

 僕が伝えようとしているのは水球を教えるというよりも、あくまでスポーツを選手と一緒にやっているというスタンスです。
 スポーツとは、よく教育なのか?強化なのか?という議論になりますが、僕はそのどちらでもなく、スポーツはあくまでスポーツだと思っています。僕は、強化のための教育はあると思っていますが、教育の中に強化は無いと思っています。スポーツは、結果的に勝たなければいけません。勝つための方法やスポーツマンシップということを重視して指導するようにしています。
 分かりやすく言うと、指導者の中には『勝ちだけが全てじゃない』とおっしゃる方がいらっしゃいますが、それはスポーツの定義からは外れていると感じます。この言葉は優勝した監督や選手が言うのは正解かもしれません。そして敗者の立場を尊重するということを、強化の中から優勝後に教育するということは大切で、必要なことです。そのため、強化の中から教育は有ると考えています。『勝ちだけが全てじゃない』と言いながら『優勝しろ!』と言うのは矛盾しているのではないでしょうか。

 スポーツの定義は、4つあります。
 
1.相手がいて
 
2.審判がいる
 
3.ルールがあって
 
4.勝敗が決まる
 この4つの要素を尊重できる人をスポーツマンと言えますし、それをそれぞれ目指すというかこだわる、勝ちの方法もルールにのっとる。こういうことを選手や学生の方々には伝えたいと思っています。

 先日のサッカーワールドカップでウルグアイの選手がバレーボール並のハンドブロックをして、退場になりましたが、あれはルール違反です。でもその国の文化であり、勝ちへの執着心だと思いました。退場後、PKが外れた後にガッツポーズをするのは、文化であって日本人にはない感覚でしょう。もちろん、良い面と悪い面があのシーンについてはあります。ルールを破っているという点は悪いかもしれませんが、ああいうのがスポーツだということは伝えたいです。

 大学生やアスリートを対象に“スポーツマンシップトレーニング”という講義をすることがあります。その時に、
 
『アスリートの方、手を挙げてください。』『スポーツマンだと思う方、手を挙げてください。』
 と問いかけます。すると皆、手を挙げます。次に
 
『スポーツの定義とは何ですか?』
 と問いかけると、誰も答えられません。

 フェアプレーという言葉をよく使いますが、それはスポーツマンシップの中の一部でしかないと思っています。
 そして学生時代のスポーツマンシップは、将来的にビジネスマンシップになると思っています。社会人になっていても、相手を尊重する気持ち・ルールを守る・勝敗にこだわるということは同様に大切なことです。
 学生は、この授業を通して “そもそも自分がやっていたのはスポーツなんだろうか?”“ただの運動なのでは?”などと、衝撃を受けているようです。

 教育とは教える育てるではなく、『教わる・育とう』だと、僕は考えます。それは、受ける側も教える側も同じです。
 スポーツマンの観点からすると、一方的に教えて育てるという考えでは“尊敬はされるけど、尊重はしていない。”となってしまいスポーツの定義からは外れてしまうと感じます。
 ちょっと理屈っぽいですが〝選手を尊重しながら尊敬しないと、コートを離れた後も尊重されないだろうし、尊敬もされない。〟のではないでしょうか。

 僕のビジネスコーチとは、よく討論をします。セカンドキャリアについても話し合いました。
 セカンドキャリアという言葉は便利なので仕事でも使用していますが、そもそも僕は、この言葉が好きではありません。人生には紆余曲折ある一本道なのだからファーストもセカンドもないのではないか、そんな風に考えています。
 『アスリートが仕事をする』のではなくて、『仕事をアスリートする』
 アスリートを引退しても、仕事をアスリートすれば、セカンドではないですよね?
 アスリートのアスリートたる行動。身体を動かして、ただ勝ち負けを追及するのではなく、その思考を仕事に持ち込めば、素晴らしい社会人になると思います。つまり、セカンドではなく、全てがファーストキャリアなのではないかと、僕は考えています。
 ビジネスコーチとの、結論は出ていないんですけれど…。

河谷のコメント:
 〝スポーツは、教育ではない〟というコメントをいただきましたが、7ヵ年計画の真っ只中の選手にとっては、結果的に教育になっているようにも感じました。アスリートとしてのスポーツを追及する中で、学び、身についたことが一生のキャリアになるのではないかと感じたからです。
 人に伝えるということは、色々な経験を積んでこそ出来ること。だから、教える方も育とう精神が必要なんだなと再認識しました。年を重ねているだけ、若い方々よりも経験は多いかもしれませんが、それだけでは無いように思います。だからこそお互いの信頼以外に、尊重・尊敬が大切なのかなと感じました。

9.アスリートを取り巻く環境は何ら変わっていない。

 現在、株式会社パソナでは人材ビジネス(マネージメントではなく、派遣・人材紹介)を切り口としたアスリートに対しての支援を行なっています。
 引退後の就業支援・セカンドキャリアの支援や、大学卒業後に就職をしたけれど、もう一度競技を続けたいという方への就業支援、大学生へ向けて“仕事とは何か?”など教育的なこともしております。

 注目されているスポーツ(例:テレビで放映されているスポーツ)には色々ありますが、マイナーと呼ばれるスポーツの競技者達が大学卒業後、就職をしたけれども、競技人口が少ないため日本代表をそのまま続けているというケースもよくあります。すると正規の社員であれば、残業や週末にも仕事をしなければいけない状況だったり、出張に行かないといけないこともあります。しかし選手を続けていると、それが難しい方が多いという現状があります。そういう方々を派遣という形でお仕事を紹介するか、企業と交渉して正規の契約形態のまま練習環境などを確保できるようにして仕事をしていいただくということをやっています。
 これは、自分自身が選手時代に強く感じたからこその仕事です。

 水球の場合は今でも、社会人になって競技を続けるのはなかなか難しいです。
 僕の現役時代には、日本代表選手でも日の丸を背負いながらアルバイトをしている選手がいました。引退して十数年経ちますが、この状況はスポーツ業界全体、何ら変わっていないと感じています。

10.引き出しをいっぱい持とう!そして知恵を絞ろう!!

 会社でも『考えろ!』という叱咤激励はありますが、言われた方は、実は困っているのではないでしょうか。

 考えるということは、頭の中にたくさん引き出しを持つことではないでしょうか。今、この瞬間にどの引き出しを開こうかということを考えることが、考えるということ。『こうしろ、あーしろ』という言い方はせずに『こんな方法もあるんじゃない?』『今のパス良かったね。でもあっちに投げたら、どうなるかなー。』など、質問系で投げかけることによって、引き出しの数が増えるようになるのではないでしょうか。
 例え将来的にプレーヤーとして輝かなかったとしても、良いコーチや社会人として活躍できる人になるのではないかと思います。

 コーチングの考えの中に、4W1Hというのがあります。5W1Hの内whyは、極力使いません。『なんでシュートを決められないんだ。』では、何の解決にもなりません。良い選手を育てるには4W1Hです。
 コーチは選手にたくさんの引き出しを作ってもらうように育てることが必要だと感じています。試行錯誤した上で、選手自身が良いタイミングで良い引き出しを選択してくれたときには、コーチとして本当に喜びを感じます。

 ベースとして、色々な知識は持っていないといけません。一方で知恵は、搾り出すものだと思います。
 “搾り出せるところまで、カラッカラッになるまで、搾り出そう”“脳みそ汗かいてやってみようよ”と伝えたいです。そういうところが早ければ勝ちという計測競技じゃない球技って、面白いですよ。

河谷のコメント:
 考えさせるために、考えさせるような言葉がけで新しい思考回路が作られるんですね。
 引き出しをいっぱい持ったアスリートが増えてくると、アスリートを取り巻く環境は変わってくるのかもしれませんね。それには、コーチが変わるのが先なのか?アスリート自身なのか?

11.個人競技vs団体競技

 色々なキャラクター・役割と色々な人が集合体となってプレーするところが、団体競技の面白みです。

 水球は団体競技である一方で、個人競技でもあると考えます。
 団体競技の面白いところは、人のフォローをしたりサポートをしたりするところだと言いますが、誤解を恐れずに言えば、そもそも水球は団体競技じゃないと思っています。追いかけているボールは1つです。1人がボールを持っていますが、それぞれのポジションがそれぞれ自分の持ち場で駆け引きして勝負して自分の仕事をまっとうしています。それが団体種目です。自分の持ち場を忠実にやりきって、守りきることが自分に課せられた仕事であって、人のフォローをするということは基本的にできないと考えています。


12.コーチはライフワーク

 この仕事をしているのも、“スポーツ選手の社会的地位向上のためになれば”という思いからです。脳みそ筋肉というイメージから、アスリートだってちゃんと社会で活躍できるんだということを示したいです。
 これは銀行時代に強く思ったことです。周りは皆有名大学出身。戦う前に、有名大学の同僚に負けたと思いたくなかったので、頑張って仕事をしていました。ある日支店に配属された時に『お前は文系か?それなら営業だな。』『お前は理系か?それならシステムだな。』と若い社員に仕事を振り分けている上司がいました。すると『お前は体育会系か?』『それなら、金庫のダンボール運んでおけ。』と言われたのです。日本の社会では、アスリートはそういう目で見られているんですね。寂しい限りです。

 選手には就職した時に“今までのステージが周りと違うだけなんだ。”“自分自身に自信を持とう。”“活躍できる場があるから採用されたんだ”ということをきちんと理解してもらいたいし、就職先の方々にも、そのことを分かった上で採用して欲しいと思います。

河谷のコメント:
 アスリートは、アスリートという資格であり、アスリートとして培った能力をセカンドキャリアとして活かして欲しいなと私自身は感じています。それには、アスリートが選手時代に色々なことを考えていかないといけないのかもしれませんね。


 アスリートのセカンドキャリアについての様々な課題は、色々な場面で話し合われていますが、皆さんはどのように感じますか?
 人によっては〝選手の時には、引退後の事を考えるべきではない。〟もしくは〝考えることができない。〟という方もいらっしゃいますが、いかがでしょうか?
 鈴木さんのお話しを伺っているうちに、アスリートという経験を通して出来ること、もしくはアスリート時代の思考回路を活かしてできることという分野が、もっともっと表面化しても良いように私自身感じてきました。
 そして、食事はアスリートにとってトレーニングの一部でありながら、様々なところでポイントになるとも感じました。
 鈴木さん、お忙しい中、色々なお話しをありがとうございました。そして、素敵な絵を描いて下さって、ありがとうございました。


河谷 彰子(かわたに あきこ)

株式会社レオックジャパン スポーツ事業担当 管理栄養士

〔経歴〕

1995年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業

1997年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻卒業

1997〜2006年3月株式会社タラソシステムジャパン入社
(海水中・陸上での運動指導や栄養カウンセリング、食サービスの提案を実施)

2006年4月〜株式会社レオック関東入社 同年9月にレオックジャパンに転籍
横浜FC栄養アドバイザー・横浜FCユース栄養アドバイザー
その他、YMCA社会体育専門学校にてアスレチックトレーナー育成講座『スポーツ栄養学』講師・慶応大学非常勤講師・さくら整形外科クリニックにて栄養相談などを行なう。

以下のコラムを担当しております。