第4回 スカイライナーズクラブ訪問視察
〜スポーツクラブ運営に関するレクチュア〜
【チームについて】
1999年にボンからフランフルトに移り、今年で11年目。移転して成功しているチームは少なく、ゼロからのスタートであった。投資者が2名おり、有限会社化している。200〜300万ユーロを4年間で支出し、5シーズン目から利益を得るようになってきた。
スポンサーと入場券料が主な収入源。放映権やケータリングの儲けは少なく、公的な支援もない。独自のやり方でできるが、スポンサーに支配されている部分もある。メリットは、公的だと長期的な計画が必要なのに対し、即時に決定し、行動できるということ。
【青少年プロジェクト】
延べ300人が学校へ行き、コーチとプロモーションスタッフで1時間半のプログラムを行い、指導している。学校内に同好会を作ることもあり、7万人の生徒に講習している。現在は、60校にバスケットボールクラブがあり、週1回指導しているが、この先、250のクラブから指導の希望を受けている。この指導プログラムを実施するには、35〜70万ユーロの経費が必要だが、指導は無料で行っていて、支援してくれるスポンサーがいる。
派遣コーチに講習会を開き、40名の学生に対して2名のスタッフで、ライセンス取得のサポートをしている。学校等からの要請によって、3回講習会を開き、クリアすれば資格が取得できる。費用は安くて10ユーロ、高くて135ユーロ。
【スポンサーの目的・関係】
ドイツバンクの場合、バスケットボールの試合を見に来てくれた人がドイツバンクユーザーになることもあり、チームより地域をスポンサードしているような状況である。
年間チケット400ユーロ×400名を売るためには、もっとモダンな体育館が必要で、体育間が大きければ、スポンサー・ケータリングなどの収入すべてが増加するであろう。目標はシーズンチケットの売り上げが80%になること。フランクフルトはイベントが多いので、企業にまとめ買いしてもらうことが可能である。また、観客のデータを収集し、実際に15,000人の学生データを企業に渡している(ただ、青少年のデータは企業には出していない)。
ほとんどの事象がリーグで決定・実行できるが、重要な事象については、ドイツバスケットボール連盟が口出しできるような仕組みになっている。
バスケットボール好きな人は教養が高く、経営と栄養の勉強をしている人が多い。また、以前からバスケットボールをしていたので、現在の仕事は、趣味を仕事にしたようなものである。投資するなら本当はスポーツでない方が良いが、チームの資金のためだけでなく、青少年の模範となるべきチームの存在意義のために投資ししている。
失敗したことは、2年間議論して駐車場料をとるように決めたこと。
リーグへの加入の方法は、徐々に力をつけ、下から上がっていくか、15万ユーロ払って加入するか。100万ユーロが資本金で、試合観客は2,000人程。
【スポーツダイレクター ノバート氏の話】
選手の構成としては、総勢13名で若い選手が3名、10人がプロ選手。
トレーニングは10:30からと19:30からで、金曜は一部トレーニング。
チアリーダーは公募制で週2回トレーニングを行っている。謝礼はあるが、これだけでは食べていけない。外国人よりドイツ人の方が、給料が高いので、外国人枠が7名から6名になるのはクラブとしてはしんどく、スポンサー費がないのでキツイというのが正直なところ。
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ドイツの街並み |
![]() スカイライナーズ施設入り口 |
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カミールノバック氏 | ノバート氏(スポーツディレクター) | |||
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体育館内施設 |
![]() ノバート氏と永井東一氏 |