第5回 ドイツ女子サッカーの現状
【歴史】
◆年表
1970年 | 女子サッカーがスタート(それまでは禁止されていた) |
1974年 | 初のクラブチャンピオンシップを開催 |
1981年 | 初のカップ大会を開催 |
1982年 | スイスと初の国際試合 |
1985年 | 女性初のUEFAプロレベルのコーチライセンスを取得 ベルリンでカップのファイナルを男子と同時開催 |
1989年 | 総会がCommittees for Women’s and Girls Footballの設立を認可する |
1990年 | 南北2リーグ制で女子リーグを設立 |
1995年 | 第一回DFBインドカップ
女性初のDFB理事が就任 |
1997年 | 南北リーグの統一、12チームで編成 |
2000年 | U17クラブチャンピオンシップを開催 |
2004年 | 2リーグ制のブンデスリーガ2部を開始 |
2005年 | 女子育成プログラムがスタート |
2008年 | FIFAがWWC 2011とU20 WWC 2010のドイツ開催を決定 |
これまで、ヨーロッパ選手権で5回、世界選手権(2003、2007)で2回の優勝経験がある。今日では、女性がサッカーをするのが普通に受け入れられるようになった。2008年にワールドカップの設立委員会を設置した。当初は6社のスポンサーを獲得することを目標に設定し、実際に2400万ユーロ(開催予算の50%に相当)を獲得した。
【戦略】
当初は男子サッカーの手法を模倣する一方で、アマチュアとしての意識を強調した。今日ではナショナルチームの選手はサッカーで生計を立てられるようになった。また、国際試合を多く行うことで需要を喚起した。しかし、リーグに所属するチームはスポンサー獲得に苦労している。
【組織構造】
11人を雇用して運営している。女子サッカー委員会を設置し、クラブからもメンバーに入れている。
ナショナルチームはトップ、U23、U20、U19、U17、U16、U15を編成しており、フルタイムコーチは6〜7人。ドイツサポート基金から財政サポートを受けている。また、タレントを発掘するために、390のセンターを設置して、各地域選抜チームのための大会を開催。
リーグは1部に12チーム、2部は南北それぞれ12チーム、トータル36チームで編成される。トップまで7つの階層がある。リーグとは別に行われるカップ戦には57チームが参加しており、冬にはインドアカップを12チームで開催している。現在は、U17のリーグ設立を検討している。
女子リーグ:36チーム
2010年現在で14,000チームが存在し、底辺拡大に向けて様々なプログラムを実施している。
◆チェンジマネジメント
政治、DOSB、州連盟、教育機関、行政等を巻き込んでいくように意識。
◆キーファクター
女子サッカー発展の基盤となる人材を開発する必要がある。また、他国の成功しているケースを勉強している。
【女子サッカー育成のポイント】
育成プラン
―プレーヤー視点/グラスルーツとエリートレベル
プレー機会
―クラブやリーグ, 学校サッカー, 男女混合チーム, ピッチを自由にプレーする, インドア, パーク
ゴールクリエイティング
―タレントプレイヤーのスカウティングと育成
エリートとグラスルーツにとって魅力的な大会
コーチ
―独自の女性サッカーコーチ
パーソナル
―管理者, 審判, 大使
新しいアイディア
―スポーツ科学, 国際交流
コミュニケーション/マーケティング
―アクティブサポート, スターの創造, リーグのブランディング
ナショナルチーム
―組織のクオリティー
【総括】
ドイツエリート女子サッカーは、グラスルーツ、ムーヴメントから発展してきた 。裾野を広げて人材を発掘していく。資格を持ち有能なコーチたちがクオリティーサッカーを育成するので、情熱を持ってサッカーを育てる人が必要である。また、政治からの働きかけも重要であり、移民問題の解決策としての役割も担っているし、サッカーは社会における女性の役割を振興する完璧なツールでもある。
経験がとヤル気のあるコーチや管理者が未来の成長の鍵となる 。
ドイツサッカー協会正面入り口 | 女子W杯2007中国大会優勝トロフィー | |||
講義の様子 |
Ms.Heike Ullrich | ||||
資料編
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