TSVバイエル04レバークーゼン視察およびレクチャー




【TSVバイエル04レバークーゼン】

 
体操スポーツクラブとして1904年に設立され、6年前に100周年を迎えた伝統のあるスポーツクラブ。種目は14種目にわたり、会員は1万人を数える。主要スポンサーは、製薬会社のバイヤー社(日本名バイエル製薬)。バイヤー社は、年間予算の80%を出資している。クラブ独自の施設を有していることは、計画的な運営、運用が可能になるため、競技スポーツ分野においても利点である。
 
そもそも、みんなのスポーツがなければ、競技スポーツはないという前提がある。3年前にバイヤー社とスポーツコンセプトについて検討し、これまで通り、みんなのスポーツを振興しながら競技スポーツのタレント育成にも力を注ぐことが決定した。


【クラブ概要】


◆体育施設および指導者

 
午前中はほとんどがみんなのスポーツ、午後から競技スポーツが中心となる。有名な選手も在籍しているが、1歳から3歳までの会員が1,000名(1〜7歳:2,500人)で、親子での種目もある(視察時も親子で身体活動種目を行っていた)。1957年に建設された体育館では、子供スポーツのための体操器具を常設している。クラブは、月曜日から金曜日までの9時〜12時、14時〜17時の時間帯に活動している。
 
本クラブは、ミュンヘンオリンピックハイジャンプ金メダル選手輩出しており、その選手は、1歳から本クラブの会員として活動していた。また、ブレッダー・ハイデマン氏は表彰された際、報奨金をクラブへ寄付した。
 
指導プログラムについては、クラブが独自で立案し、指導者が指導にあたっている。現在、総勢25名で、そのうち子供スポーツ担当に4名の指導者がいる。指導者は、州スポーツ連盟指導者講習会において、120時間の講習を受けたのち試験を受け、ライセンスを取得し、些少額で指導にあたっている。


◆会費


◇入会金

子供(18歳まで)16ユーロ 大人30ユーロ

◇月会費

子供(18歳まで)10ユーロ、大人16ユーロ

保険料込み 口座自動引落し

長期会員に対して、表彰制度がある

◇フィットネスジム ※別料金

・時間帯利用

・月会費最高26ユーロ

・10年前に設置 会員数2,000人

・トレーナーが問診を行い、トレーニングプランを作成

・1週間に3日託児所を開設
  いつでも利用できるニーズは、その他民間のフィットネスクラブの会員となる傾向にあるが、24時間対応の民間フィットネスクラブではトレーナーがいないなどサービス面で違いがある。また価格については、民間フィットネスクラブと競合している。

◇フィットネスコーチ

資格階級があり、その資格に応じて給与が支払われる。


◆障害者スポーツおよびリハビリテーションスポーツ

 
障害者スポーツ、リハビリテーションスポーツにも注力している。尚、バイヤー社はドイツ障害者スポーツ連盟の主要スポンサーでもある。心筋梗塞、ガン、肺の病気のリハビリテーションの一環でスポーツも振興しており、健康保険が適用される。

<事例> 
  陸上競技選手が事故で下肢を失い、障害者スポーツに取り組み義肢でロンドンパラリンピックに出場予定。彼女がリスタート切れたことにクラブとしても感銘を受けている。


◆競技スポーツ

 寄宿舎があり、競技スポーツに取り組む子供たちが生活している。中には障害者スポーツの選手もいる。


◆ボール競技試合体育館

 
ハンドボール、バスケットボール、バレーボールの試合を行う体育館は、市所有であり、1954年に建設された。収容人数は3,500人。最近、床を張替できるよう工事し、6,000枚の板を敷き詰めている。本施設は市から指定管理委託を受けて、管理運営している。視察翌日からフェンシング国際大会が開催される予定で、積極的に国際大会を招致して市民にトップスポーツに触れてもらう機会を作っている。また、ボール競技は毎週試合があり、身近に観戦でき、市民と密接な関係にある。


◆管理事務所

 
5つのコーチ部屋があり、6名の専任コーチがいる。実技指導者は9名在籍。通路にはレバークーゼン出身の選手写真が展示してある。


◆室内練習場

 
ハンマー投げグラウンドであった場所に1999年着工 、2001年に落成した。本施設は、コーチの意見を多く取り入れたトレーニングに適した施設である。ランニングバーンは木材で出来ているため、記録はコンクリートに比べ出ないが、選手の身体の負担やケガの予防の為、この仕様にした。レバークーゼンがメッカと言われている棒高跳びや投てきの練習場も有しているが、やり投げだけは屋外。直線100メートルコースを有していることが特徴的である。その他、インナーマッスル強化器具やマシン、フリーウェイトを有したウェイトトレーニング室があり、オリンピック連盟から理学療法士が2名派遣され、治療の面でも選手がトレーニングに励む環境が整っている。


◆備考

・全体育施設含め週に述べ1,300時間を利用している。

・ボール競技試合体育館の天井の高さは11メートル

・公益法人申請時にクラブ名にバイヤー社の名前が(会社名)入ってもよい。

・レバークーゼンは、バイヤー社が設立当初からスポンサーをしている。

・プロ選手はサッカー男子のみでサッカークラブは有限会社化した。

・昨年、本クラブで育成したドイツNo.1棒高跳びの選手は移籍した。

・バイヤー社が運営しているスポーツクラブや文化クラブは20クラブほどある。社会貢献活動の一環として、各クラブへ年間総額1,500万ユーロの支援を行っている。ハイパフォーマンススポーツのカテゴリーでは、サッカーのみ支援している。


右:アンデ・ヴィングヒェン事務局長


TSVバイエル04レバークーゼンのフィットネススタジオ入り口(上)
内部の様子(下)


バイヤーレバークーゼン会長主催招待昼食会


クラウスベク会長と、梅北団長

海外研修報告は、今回で終了します。