ミズノのスポーツ社会貢献

美津濃商店(1913、大2)

1.
はじめに

 当社は、昨年4月1日に創業100周年を迎えました。創業当時、社会にまだスポーツが普及していなかった時代から、当社は常にスポーツを通じた社会への貢献を目的として事業を行なってきました。本稿では、スポーツ社会貢献に関する当社の基本的な考え方を、次世代の育成や企業市民としての社会貢献の観点を交え、ご紹介させていただきます。

2.
スポーツ社会貢献の基本的な考え方

 1990年に制定した当社の経営理念、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」は、創業時から当社が一貫して持ち続けてきた理念を成文化したものであり、現在、そして未来において、当社が事業活動を行っていくうえでの拠り所となるものです。当社は、人々がより豊かで快適な生活をおくるために、スポーツは重要な役割を担っていると考えています。

環境にやさしい製法から生まれた
特殊レザーを採用の野球グラブ

スポーツ品の製造・販売という事業を通じて、常により良いスポーツ品を提供することに努め、また様々な機会を通じて、スポーツの振興と発展のために努力し続けることによって、積極的に社会に貢献していく。これが、当社におけるスポーツ社会貢献の基本的な考え方です。
 
また、より良いスポーツ品を通じた社会への貢献に関して、当社では、スポーツ品として高品質であることはもちろん、環境への配慮も重視しています。再生材料を使用した商品、使用終了後に元の材料に戻して再利用する商品、生産工程で環境に悪影響を及ぼすものを発生させない商品などの環境配慮型商品を、数値目標を決めて開発、製造、販売しています。



3.
次世代育成への貢献

ミズノ創業100周年クリニックより

 スポーツは時代のありようを敏感に映し出します。世界中の誰もが、思う存分スポーツを楽しめる社会を作ることは、すなわち、平和で豊かな社会を作ることに他なりません。スポーツにしかできないこと、スポーツだけが持つ素晴らしい固有の力があります。そしてその力には、現代の世界が抱える問題の多くを解決する重要な手がかりがあると当社は考えています。スポーツを心置きなく楽しむことができない人々がまだ数多くいる現在の世界情勢にあって、当社は一人でも多くの人がスポーツと触れ合う機会を提供したいと考えています。こうした考えを背景に、当社は昨年開催されたミズノ創業100周年記念スポーツ・シンポジウムにおいて、「次世代に向けたスポーツ提言」を採択しました。「すべての子ども達にスポーツを」というスローガンのもと、スポーツの振興を通じて世界中の子ども達の健やかな成長と、未来の平和のために貢献することを誓うとともに、次の5つの提言を表明し、実践していきます。

1. 国、民族を超えて、すべての子ども達にスポーツができる場と機会の提供に努めます。
2. 子ども達が、スポーツを通してチームワーク、協調性、リーダーシップを身につけるよう努めます。
3. 子ども達のために、スポーツ界の環境保全の啓発・実践活動に努めます。
4. 子ども達にとって、最適なスポーツ・プログラムを開発し、次世代の指導者の養成に努めます。
5. 子ども達の成長に合わせた、より良いスポーツ品の開発・提供に努めます。

4.
企業市民としての社会貢献

地域清掃活動

 近年、企業の社会に対する関わりへの関心が、CSR(企業の社会的責任)をキーワードとして急速に高まりつつあります。当社では、誠実性に立脚した経営理念の具現化こそが最も重要な社会貢献と認識する一方で、さまざまな社会的課題の解決に取組むことも、企業市民としての責務であり重要な社会貢献であると考えています。海外製造委託先における労働環境の改善、スポーツを通しての健康・情操教育、地球環境保全活動など、息の長い社会貢献活動を実行していきます。


5.
むすび

 世界には、依然として紛争や飢餓、貧困に苦しむ国や地域があります。先進諸国においては、社会の成熟化の弊害がさまざまな社会問題となって現れています。当社は、スポーツを通じて平和で健全な社会作りに貢献できるよう、日本トップリーグ連携機構様をはじめ、関係各位との連携・協力のもと、今後も着実に経営の歩みを進めていく所存です。