人工芝循環型リサイクル・リユースシステムを利用した 地球温暖化防止による社会貢献
人工芝の抱える問題
天然芝の感触に近い「新世代の人工芝」として、スポーツ界の施設整備に革命を巻き起こしたロングパイル人工芝。日本においては、2000年から導入が始まり、稼働率の向上とランニングコストの軽減が図れるというメリットから年々倍増の勢いで施設数が増え、現在ではその敷設面積が700万㎡にものぼっていると言われております。
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日本への導入から約9年が経過し、日本独特の使用頻度の高さも手伝い、既に初期の導入施設では消耗した人工芝の張替えという大きな問題を抱える時期となりました。実は、導入当初はあまり知られていませんでしたが、人工芝は、サッカー場1面当たり約350t程度の重量になり、撤去後は、産業廃棄物処理するしか処分方法がなく、その撤去から運搬、処理、そして新たな人工芝の敷設まで考えると、ロングパイル人工芝の張替えは現実的ではありませんでした。
人工芝選別加工機車輌の開発
そこで弊社では、現場で、撤去から人工芝本体を、再利用材と、リサイクル可能な充填材に選別することができる「人工芝選別加工機車輌」を開発しました。張替えを実現するためのコストダウンを実現したばかりか、産業廃棄物をほとんど出さないで改修できるという、環境に対する最大の課題を払拭することに成功しました。
現場で、既存の人工芝に使用されていた硅砂は、新たな人工芝グラウンドに再利用し、消耗したパイル及び弾性体は、リサイクル原材料として、新たな人工芝グラウンドに使用可能な弾性体へと再生することができます。よって、張替え工事の際に発生するゴミの排出量は、産廃処理する場合と比較して、約80%は削減できます。また、CO2排出量の点で比較しますと、約60%のCO2排出量を削減できます。(既存人工芝の仕様、及び、現場から最終処分場、リサイクル工場の距離により、数字は変わります。)このシステムの優れた点は、どのような材料・配合の充填材にも対応しリサイクル工程へ流していくことが出来る点です。また、平成12年に施行されている循環型社会形成推進法では、廃棄物の処理方法の優先順位が定められていますが、このシステムは、リユース、マテリアルリサイクルという環境負荷が低く、処理方法として優先順位が高い方法で、人工芝の張替え工事が容易に行えます。2008年の2月より、本格的にプロモーションを開始しておりますが、現在までに約4件の大型競技場の人工芝張替え工事を実施致しました。
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「産業廃棄物」から「循環資源」へ
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上記のように、産業廃棄物を取り巻く社会環境は、非常に逼迫した状況にあり、関係法案の整備や、各地で啓蒙活動が行われております。その中でも、産業界が果たすべく役割は大きく、循環型社会構築のための技術革新には大きく期待がよせられていると感じております。弊社が開発した「人工芝循環型リサイクル・リユースシステム」を用いて、豊かなスポーツ環境の維持だけはなく、消耗後の人工芝を有用な「循環資源」と位置づけ、循環型社会への促進に貢献するよう、積極的に全国展開していく所存です。あわせて、全国の施設整備に関わられる関係者の方、競技団体、アスリートの方々にもこのシステムをご理解頂いた上で共に推進し、日本の将来に向けた豊かで快適なスポーツ施設作りに役立つように今後も努力を続けていく所存です。
クリヤマ株式会社
当社は、1939年(昭和14年)の創業以来、法人顧客向けにゴム・合成樹脂製品の販売・施工を主業として、海外製品を含めた取扱商品の拡大とともに建設・スポ-ツ施設分野への進出も図り、発展を遂げつつ今日に至っております。
一方で、1968年(昭和43年)にアメリカに現地法人を設立して以来、北米においてホ-スに特化した9社の現地子会社による製販一体のネットワ-クを確立し、1987年(昭和62年)以降東南アジアにも販売拠点や製造拠点を設け、国内はもとより世界に視野をひろげたグロ-バルな事業展開をしております。
クリヤマ株式会社(KURIYAMA CORPORATION) http://www.kuriyama.co.jp/ モンドターフ公式サイト http://www.kuriyama.co.jp/mondoturf/ |
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創業 | :1939年(昭和14年)4月 | |
設立 | :1940年(昭和15年)12月 | |
代表者 | :代表取締役社長 服部 兵衛 | |
資本金 | :7億8,371万6,600円 | |
株式公開 | :東京証券取引所 市場第2部(証券コード:3355) | |
従業員数 | :268名(2009年8月現在・単体) | |
売上高 | :359億1,800万(2008年12月期連結) |