日本ソフトボールリーグ

2013-9-6

日本女子ソフトボール1部リーグは後半戦に突入中!! 第7節 9/7・8 12試合

 第46回日本女子ソフトボール1部リーグは、8月31日(土)・9月1日(日)の両日、群馬県高崎市、千葉県千葉市、愛知県名古屋市の3会場で第6節を開催。後半戦のスタートとなる第6節では、日本リーグ「4連覇」の偉業達成に挑むトヨタ自動車が今シーズン初黒星を喫し、開幕からの連勝が「12」でストップ。波乱含みのスタートとなった。

 愛知県名古屋市・名古屋市瑞穂公園野球場で開催された名古屋大会には、前半戦を11戦全勝で折り返し、首位を快走するトヨタ自動車が登場。上位を争う日立、豊田自動織機との「直接対決」に臨んだ。

 今節初戦、ここまで8勝3敗の同率3位につける日立と対戦。試合は日立・山中しほ、トヨタ自動車・モニカ・アボットの両左腕投手の投げ合いで3回まで両チーム無得点で進み、迎えた4回裏、トヨタ自動車は渥美万奈、渡邉華月、ナターシャ・ワトリーの3連打などで2点を先制すると、続く5回裏には、鈴木美加がライトスタンドへ運ぶソロホームランを放ち、3点目。着々とリードを広げ、守っては、「絶対的エース」モニカ・アボットが日立の強力打線を散発4安打に抑え込み、完封勝ち。3-0で快勝し、開幕からの連勝を「12」に伸ばした。

 しかし、続く豊田自動織機戦は試合開始直後、雨に見舞われ、「絶対的エース」モニカ・アボットが四死球と自らのエラーで初回にいきなり1点を失うと、後半戦から加わった豊田自動織機の「新戦力」ケイラニ・リケッツの前に打線が沈黙。2回表の二死二・三塁の一打逆転のチャンスを逃すと、その後はチャンスらしいチャンスも作ることができず、終盤6回裏、逆に力投を続けるケイラニ・リケッツにタイムリーを浴び、決定的な2点目。2安打完封負けを喫し、開幕からの連勝は「12」でストップ。今シーズン初黒星を喫した。

 前半戦、7勝4敗の5位に甘んじていた豊田自動織機は、20年連続の決勝トーナメント進出に「執念」を燃やし、「現役アメリカ代表」の左腕・ケイラニ・リケッツを「新戦力」として獲得。日本リーグ初登板となったシオノギ製薬戦でいきなり6回まで一人の走者も許さぬパーフェクトピッチング。7回表、三宅美咲に初安打され、完全試合の可能性がなくなったところで降板したが、6回0/3を投げ、被安打1・奪三振10の快投。「衝撃」の日本リーグデビューを飾ると、続くトヨタ自動車戦では、開幕から無敗の快進撃を続ける「王者」トヨタ自動車の強力打線をわずか2安打に封じ、完封勝ち。今節連勝で同率3位に浮上。決勝トーナメント進出圏内へ順位を上げた。

 一方、前半戦を8勝3敗の同率3位と好位置につけていた日立は、今節初戦のトヨタ自動車戦に0-3の完封負けを喫すると、これに気落ちしたわけではないだろうが、続くシオノギ製薬戦も2-6の完敗。強打のチームではあるが、他の上位チームに比べると投手陣に「絶対的なエース」がいないのが不安材料。上位チームとの直接対決ではどうしても分が悪く、下位チームに対しても「番狂わせ」が起こる可能性がつきまとう。今節連敗で5位に転落、決勝トーナメント進出争いから一歩後退したが、ここが踏ん張りどころ。次節以降の巻き返しを期待したい。

 シオノギ製薬は、豊田自動織機戦は1-8で完敗したが、日立戦では打線が奮起。三宅美咲の先頭打者本塁打を口火に、9安打・6得点と打線が爆発! 強打・日立のお株を奪う猛攻で6-2と快勝し、今節1勝1敗。通算成績を5勝8敗とし、同率6位に並んでいる。左腕・岩田みゆきに計算が立つようになり、その女房役・岡恵利華が本塁打王争いを演じる等、元気な「ルーキーバッテリー」がチームを引っ張っている。豊田自動織機とともに、後半戦「要注意」のチームとなりそうな気配だ。

 群馬県高崎市・高崎市城南野球場で開催された高崎大会には、「王者」トヨタ自動車を追走する2位・ルネサスエレクトロニクス高崎が登場。

 今節初戦のペヤング戦で、エース・上野由岐子が日本リーグ通算勝利数歴代1位となる173勝目を挙げ、「伝説の大投手」ミッシェル・スミスの不滅の大記録を更新すると、続く太陽誘電との「高崎ダービー」では、峰幸代の先制タイムリー、中野久美、大工谷真波の連続本塁打などで3点を奪い、エース・上野由岐子が余裕たっぷりのピッチングで被安打3の完封勝利。今節連勝で通算成績を11勝2敗まで伸ばし、首位・トヨタ自動車に肉薄。単独2位で首位を狙える位置をキープした。

 地元・群馬の太陽誘電、ペヤングはともに1勝1敗。太陽誘電は日立マクセルには、U19日本代表の「4番」として第10回世界女子ジュニア選手権で4本塁打を放ち、3大会ぶり5度目の「世界一」に貢献した「スーパールーキー」青木千春の2本の本塁打、地元・高崎商業高出身の丸山実希子の満塁本塁打など、19安打・17得点を奪う猛攻で17-4と快勝したものの、ルネサスエレクトロニクス高崎には0-3と完敗。

 ペヤングは、初戦のルネサスエレクトロニクス高崎戦で終盤まで互角の投手戦を演じたものの、6回裏、二死走者なしから怒涛の5連続長短打を浴び、4失点。0-4の完封負けを喫し、上野由岐子の日本リーグ通算勝利数歴代1位となる173勝目を献上し、その「引き立て役」を演じてしまった。しかし、続く日立マクセル戦では壮絶な打ち合いを制し、終盤の猛攻で10-9の逆転勝ち。1部昇格後、初の「凱旋」を果たした地元・群馬での「初勝利」を挙げ、通算5勝8敗。太陽誘電、シオノギ製薬と同率6位に並んだ。

 今シーズン限りでの廃部・活動停止が正式に発表された日立マクセルは今節連敗。「最後の意地」を見せたいところだが……現実は厳しい。投手陣が崩壊状態で太陽誘電戦は17失点、ペヤング戦も10失点と2試合連続の二桁失点。ペヤング戦では試合終盤まで3点のリードを奪う場面もあったのだが……勝利が遠い。

 千葉県千葉市・千葉県総合スポーツセンター野球場で開催された千葉大会には、前半戦8勝3敗の同率3位につけたデンソーが登場。

 初戦の戸田中央総合病院戦では、終盤猛追したものの5-6の惜敗。続くHonda戦も、序盤から激しい点の取り合いとなり、最終的には9-5と打ち勝ったが、投手陣の出来に不安が残る試合内容となった。

 特に、昨シーズン、2008年以来の決勝トーナメント進出を果たす「立役者」となったジョーダン・テーラーが本調子とは言い難く、今節初戦の戸田中央総合病院戦も先発に起用されながら、4回3失点で降板。序盤2点のリードをもらいながら、あっさり逆転を許し、痛い星を落とした。打線は2試合で14得点と「超攻撃型チーム」の片鱗は見せてはいるが、今後、上位チームとの「直接対決」を見据えていくと、「エース」ジョーダン・テーラーの「完全復調」がカギとなる。また、「超攻撃型チーム」が上位争いを演じるチームのエース、「世界レベル」の投手と相対したとき、どんな攻撃、試合運びを見せるかも注目が集まる。

 後半戦のスタート、見違えるような戦いを見せたのは戸田中央総合病院。デンソー戦、序盤リードを許しながら、見事な集中打でデンソー投手陣を攻略。6-5の逆転勝ちで勢いに乗ると、続くSGホールディングスグループ佐川急便戦も2回裏、3回裏に2点ずつを奪い、試合の主導権を握り、五味彩華、田家由里の継投で逃げ切り、4-3の辛勝。2試合連続で1点差ゲームをモノにし、今節連勝。通算成績を4勝9敗とし、同率9位に浮上した。

 Hondaは今節初戦のSGホールディングスグループ佐川急便戦を「エース」モーガン・メローの力投で1-0の完封勝利を収めたものの、続くデンソー戦では、それ以外の投手が打ち込まれ、5-9の大敗。すでにモーガン・メローをフル回転させてきているだけに、他の投手が踏ん張らないと「入替戦圏内」からの脱出は厳しい。

 SGホールディングスグループ佐川急便は今節連敗。Honda戦では「主砲」ステーシー・ポーターを1番に起用し、最初の打席で二塁打を放ちながら得点に結びつけることができず、その後は徹底的にマークされ、故意四球2つを含む3打席連続の四球。こうなると得点力がガタッと落ち、結局は完封負け。続く戸田中央総合病院戦も猛追およばず3-4で惜敗。今節連敗で通算4勝9敗となり、Honda、戸田中央総合病院と並び同率9位。入替戦を巡る争いも激化してきた。

 第7節は9月7日(土)・8日(日)の両日、栃木県大田原市、兵庫県豊岡市、熊本県八代市の3会場で行われる。

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