2025.11.10
日本トップリーグ連携機構 GM研修会【第1回】
公益財団法人大崎企業スポーツ事業研究助成財団事業
開催報告
日本トップリーグ連携機構では、10月27日(月)に2025年度第1回目となるGM研修会を開催いたしました。
当機構には、団体ボール競技の日本のトップリーグ9競技12リーグ、約300のチーム・クラブが加盟しています。各競技・リーグを活性化するためには、チーム・クラブのマネジメント機能強化が不可欠であると考え、公益財団法人大崎企業スポーツ事業研究助成財団様の助成事業として本研修会を実施しております。
当機構が過去4年間実施してきた「企業のスポーツ支援意識調査」では、支援を継続する企業が「社会貢献」や「チーム・統括団体の理念への共感」を重視し、自社の経営方針に沿った形で説明可能な価値を求めていることが明らかとなりました。企業がチームを保有・協賛する意義は単なるスポンサーシップにとどまらず、企業戦略の一環としての自治体連携や地域社会への貢献へと発展しています。
テーマは、本年度も引き続き「スポーツチームの存在価値を高める」。特に今回は「企業(実業団)チーム・クラブの価値を高める」をサブテーマとし、欧米とは異なる日本のスポーツ界における企業チームの存在意義を多角的に議論しました。競技力の向上にとどまらず、ブランディングを中心に、社員エンゲージメントやCSR、採用広報など、企業活動と接続した存在としてのチームの価値を再認識する機会となりました。
当日は20名(対面13名、オンライン参加のオブザーバー7名)が参加。企画運営はプラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社様の協力を得て実施いたしました。
【当日の様子 10月27日(月)】
朝10時より開講式が行われ、当機構専務理事の稲垣の挨拶に続き、平地大樹様 (プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社)より本研修会の趣旨説明がありました。参加者は各グループに分かれ、自己紹介を行いました。

第1の講義は「企業チーム現場の実践と課題」として、1チーム目の田川博之様(日産自動車株式会社)から、長い歴史を持つ日産野球部の休部・復活の経緯、そして現在の活動方針や課題についてお話がありました。企業とチームの関係性をどのように再構築してきたのかを講義頂き、参加者との質疑応答を行いました。

2チーム目には、谷優一様(※株式会社CCIグループ)、宮本和宏様 (株式会社ハニービースポーツ) から、企業の事業戦略とスポーツ・エンタメを掛け合わせた地域創生の取組、アリーナを中心としたまちづくりの構想など、企業スポーツならではの視点から実践報告がなされました。
※(株式会社CCIグループ)石川県金沢市に本社を置く金融持株会社で、北國銀行を中心に銀行業や投資事業を展開。地域密着の金融サービスと新規事業の両立を目指している。


第2の講義は「スポーツ×ブランド戦略」と題して、山口義宏様(インサイトフォース株式会社)から「ブランドとは何か」という基礎的な概念から、スポーツが企業ブランドにもたらす可能性、デジタル時代における変化への適応などを幅広く解説いただきました。スポーツチームが企業ブランドと、どのように相乗効果を生み出せるか、またブランド推進における落とし穴や課題など、実務的な示唆に富む内容となりました。

昼食をはさんで、トークセッション「企業がスポーツチームを持つ意味とは」を行いました。午前の講義を踏まえて、「なぜ今、企業がスポーツに再投資するのか」「社内での存在意義の伝え方」「ブランディング・地域共創の実践」など多岐にわたり、それぞれの視点から活発な議論が交わされました。参加者からも多くの質問が寄せられ、実業団チームが今後どのように社会や経営に貢献していけるかについて、理解を深める機会となりました。

最後のワークショップでは、各参加者が自社チームの現状と存在意義を整理し、今後の活用ストーリーを設計するワークを実施しました。個人での振り返りからグループでの共有、そして発表まで、参加者同士が互いの考えを共有しました。
閉講式では、当機構専務理事の稲垣より総括の挨拶があり、今後のチームマネジメントや企業連携に活かしてほしいとの期待が述べられました。

本研修で得られた知見が、参加者の皆様の自チーム・企業における新たな価値創出につながることを願っております。ご参加いただきました参加者の皆様、協力企業の皆様、講師の皆様、ご支援いただいた公益財団法人大崎企業スポーツ事業研究助成財団様に心より感謝申し上げます。
【協力】(敬称略)
プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社
ファシリテーター 平地大樹
運営 山下祐介、高橋麻衣子
【研修会内容】(敬称略)
10:00~17:00
■開講式・アイスブレイク
■講義①:「企業チーム現場の実践と課題」
講師:日産自動車株式会社 硬式野球部 田川博之
株式会社CCIグループ 谷優一 /株式会社ハニービースポーツ 宮本和宏
■講義②:「スポーツ×ブランド戦略」
講師:インサイトフォース株式会社 山口義宏
■トークセッション:「企業がスポーツチームを持つ意味とは」
登壇者:日産自動車株式会社 硬式野球部 田川博之
株式会社CCIグループ 谷優一
株式会社ハニービースポーツ 宮本和宏
インサイトフォース株式会社 山口義宏
ファシリテーター:プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社 平地大樹
■ワークショップ:「自社におけるチームの“存在意義”と活用ストーリーの設計」

